忍者ブログ
童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ドレイコの エルドに おさない ふたごを たべられて しまった

トウフィ と カエル・・・



あれから、 エルドは ムラへ やってくる けはいが ありません。



かなしみに くれる おっとの トウフィは ひとり

しばらく うみべの べっそう へ と でかけて いきました。



トウフィは やまあいの じたくに いると。。。


こどもたちの ベッド や ふくに どうしても めが いってしまい

つらくて たえられなかったの でした。



トウフィは カエルに もうしわけない と おもいながらも。



こどもたち を うしなった げんじつに むきあうためには

しばらく じかんが ほしかったのです。



プライベートの うみは あさ と ゆうがた

あわい むらさきいろに そまります。

トウフィは はだしに なって なみうちぎわ を あるきました。



カエルと こんやくして まもない ころに

じぶんの えんそうかいへ かのじょを しょうたいしたとき・・・

おくった ドレスに よくにた いろだ と おもいました。



カエルは なぜ・・・


こどもたちを エルドに たべられた あのとき。


「わたしのことも たべなさい」と・・・

エルドに いったの だろうか・・・




じぶんは ただ いかりと かなしみと おそろしさに

みうごき ひとつ できずにいた・・



なみだが ながれました。

なみの おとが 「ないて しまえ」と ささやく ようでした。



「・・なんて むりょく なんだろう・・ ぼくは・・」



おっと としても  ちちおや としても。



トウフィは ぼんやりと うみに しずむ たいようを ながめながら

ドレイコ について おもいを はせて いました。





ドレイコ という クニの けんきゅうしゃが

じんこうてきに つくりだした せいめいたい は・・・

いずれ このほし から よそへ と おくられて いく と いう・・



「いいのか・・ ほんとうに・・ それで・・」




あの いきものは ・・

ものを たべない はずでは なかったのか・・・


エルドが 「とくべつ」 なのか?

あの ドレイコは カエルに なついていたはず・・



その こどもを 「たべる」とは・・




トウフィは くびを かるく よこに ふると そらを みあげました。




くらくなった そらに 

まんてんの ほしが かがやきを きそいあう ようです。




「・・・ぼくを 【しゅくふく する】 と いったじゃないか・・

 だったら ・・・なぜ・・・

 ぼくに なにを どうしろ と いうんだよ・・

 ・・・ これが 【しゅくふく】って もの なのか?!」




あしの したの すなが 

なみに さらわれていくのを かんじながら。



トウフィは じぶんこそが このせかいから きえて しまいたい


そういう きもちに なって いました。









カエルは この ひじょうじたい を 

ドレイコの けんきゅう に たずさわる 

ひとり の がくしゃ として

けんきゅうじょ に ほうこく を しました。




じぶんの かんり が じゅうぶんで なかった おわびと

じけんが はっせい して から きょうに いたるまで

エルドが すがたを あらわして いないこと。。。




「ドクターカエル。。 さいなん だったね・・

 エルドこと 【ナンバー10】の ほかくを クニに しんせいした。」



けんきゅうじょ の しょちょう は カエルと 

じょうし である おじいさんドクターを よびだして

けっていじこう として つたえました。




「ほかくは・・ はたして できるの でしょうか・・」



カエルは ひとりごと の ように つぶやきました。



「ドレイコは ひぶっしつか できる からだを もって います。

 つかまえた としても ・・また・・ 」



「しつりょう までは なくならない・・。 そうだろう」



しょちょうは ばんぜんの たいおうさくを もって

ことの しゅうしゅうに あたると

クニが うごきだした と いいました。



「げんざい いくせいちゅうの ドレイコの あつかいは・・」



おじいさんドクター は ふあんに おもいながら 

しょちょうに たずねました。




「けいぞくして かんり・・ で よろしいですよね。」




しょちょうは いすから たちあがると。




おくがい の しいくじょう に きもちよさそうに ねころがる

ドレイコたち を ながめました。





「【ほかの ドレイコには きけんせい が ない・・】

 そう いえるだけの データ と しょうこを しめしてほしい。



 こっかじぎょう、 なのだから。 わかっているね。


 こんかいの じけんは ひみつりに しょり される。


 ドクターカエル・・ きみには しゅひぎむ が ある。

 【おこさんを うしなったのは・・じこ に よるもの。】


 そう・・ しゅういには つたえることで てを うった。」






カエルには なんの かんじょう も わきません。


ただ なにを いっても むなしいと のみこむ だけでした。

 







トウフィが べっそうに いってから すでに ひとつき。


カエルは しゅうまつを トウフィと すごしたいと つよく おもいました。




「ひどいわ・・ トウフィ・・ わたしを ひとりに して・・」




あの こどもたちを うしなった ひ いらい・・


はじめて さみしい と いう きもちが わいてきました。



ようやく かなしい と かんじました。



こどもの ねていた ベッド・・からっぽに なって ひとつき。



カエルは なみだと おえつが あふれだすのを とめられませんでした。




どうじに しんぱいでした。



エルドは どうなるのか・・ 




その ふあんに おしつぶされそうで なかずには いられませんでした。



ながれる なみだの あたたかさに

カエルは じぶんが いきているのだ と かんじました。




きょうまで わたしは いったい なにを していたのか・・


こころが まひを していたのか




とまっていた とけいが うごきだした ような かんかくでした。







カエルは じたくうら の ガレージ から


こがたの ひこうきに のりこむと


べっそうの ある プライベートの うみ へと とびたちました。




**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
PR
じゅんちょうに カエルの なかに めばえた 

あたらしい いのちが そだち すうかげつ のち。



こどもが ぶじに うまれました。



ふたご でした。



いっぺんに ふたりの こどもの おやに なった

わかい ふたりは なにも かもが てさぐりで

ひっしで そだてました。




ふたご だと いうのに 

いっぽう は トウフィに よくにた おんなのこ。

いっぽうは カエルに よくにた おとこのこ。




カエルに にた おとこのこ の せなかには 

ひぶっしつの つばさ も はえていました。




「こういう ところまで こどもって にるんだね・・」



ちいさな ベッドに ならんで ねている ようすを

ながめながら トウフィは かんがいぶかい ようすで いうのでした。




「おんなのこ が あなたに にていて よかった。

 きっと びじんに せいちょう するから・・」



カエルは トウフィの うつくしさを うつしとったような

おんなのこ が うまれたことを こころから うれしく おもいました。




「おとこのこ だって きれいだよ・・
 
 きみの ように ぎんいろの かみ・・ みどりの ひとみ。

 ミステリアスで みりょくてきな せいねんに なる。。。きっと。」



ふたりは すやすや ねむる ふたごを みつめて

しあわせな じかんを すごすのでした。













やまあいに すみはじめた ドレイコの エルド。


エルドは カエルの いえに しょうじた へんかに

すぐに きがつきました。


カエルが  しばらく そとに でてこなくなり・・



でてきたときには ちいさな ニンゲンを ふたりも つれて いました。



ムラで カエルが こどもたちを ことばを かわす ようすも

なんども みてきましたが・・・


この ちいさな ニンゲンに むける カエルの かんじょうは

まったく それとは ことなり ました。




それは けんきゅうじょで うまれそだった とうじの

エルドに そそがれて いた かんじょうと よく にていると

かんじられました。



トウフィに むけられる かんじょうとも また ことなる・・・


とても ふかい あいじょうが こめられて いるのです。



エルドの こころは いらだちを おさえきれなく なって いました。





つぎ から つぎ と・・・






じぶんから カエルを とおざける そんざいが 


あらわれることに どう むきあえば いいのか・・





まだ おさない エルドに 


それを りかいする ことは むずかしいのです。











このムラに やってくるとき エルドは にくたいを


ひぶっしつか させる ことを しないことが おおくなりました。



エルドの きょだいな すがたも ムラの ひとびとには 


すでに あたりまえの ものとして うけいれられて いました。





ちいさな こどもは エルドが そらを まうのを みては


「エルドに のって とんで みたい」と おいかけました。



おとなたちは エルドの きらめく ぎんいろの すがたを みかけると 


そのひは いいことが あるように おもえると くちぐちに いいました。



あおい そらに かぜを まいおこしながら かっくする 


ぎんいろの しなやかな すがたに こころを うばわれました。






しかし エルドの ほうは ちがいました。






すがたを ひぶっしつか しないのは

カエルの きもちを こちらに むけたいと ねがう いっしん。


そらを まうのも カエルに きれいだと いって ほしい いっしん。



カエルだけが エルドに とっての すべて なのでした。













それは あまりにも とつぜんでした。







ある きゅうじつの ひるさがり。



トウフィと カエルは じたくの にわさきで 


おさない ふたごを あそばせながら おちゃの じかんを

たのしんで いました。



トウフィは げんがっきを かなでながら こどもたちに

うたを きかせて いました。


ふたごは その ねいろ と うたごえに 

ふしぎそうな ようすで ききいって います。



そのうち あきはじめると ふたごは おいかけっこを はじめました。



ときどき ころんだり  じゃれあいながら ふたりは


わらい ころげて あそんでいます。







いっしゅん の ことでした。






ふたごの うえに とつぜん おおきな かげが おおいかぶさり・・


エルドが すがたを あらわしました。


おともなく まいおり ました。







カエルが ふりむいた そのとき めに したのは。



エルドは こどもたちを すばやく くちに くわえると


かるく うえを むき のみこんで しまう ようすでした。





トウフィが おおきな ひめいを あげました。




カエルには なにが おこったのか いっしゅん りかい が できませんでした。






ふたりの あいだに うまれた ふたごは。



エルドに まるのみ に されて しまいました。





エルドは つばさを たたむと

いごこち わるそうに  そのばに じっと しています。




「・・・なんて ことを・・・」






カエルは せいちょうした ドレイコが ものを くちに するのを

いままで みたことが ありません。



せいちょうした ドレイコの エネルギーは 

こきゅうから えられる もので すべて まかなわれているから・・





エルドは おなかが すいていたわけでは ありません。






カエルは・・ にげない エルドを みつめながら あゆみより ました。




トウフィが まっさおに なって ふるえながら なみだを ながして います。


「あのこたちが いったい なにを した?

 ・・なんで・・」




カエルは ふるえながらも ゆっくりと 

エルドの ほうへを むかって あるきました。



「エルド・・ おまえ・・ どうして!?」



カエルが ちかづくに つれて エルドは あとずさりを しました。




(・・ぼくは なにも わるく ない・・)




エルドは みどりいろの ひとみを しばたかせ ながら


じりじりと あとずさります。




「そんなに ・・?

 あのこ たちが じゃま だったの・・ おまえ・・」





(ぼくは・・ わるく・・ないよ・・)



エルドの おびえる すがたに すべてが りかい できました。





「・・・ さみしかったの・・ そうなの?

 わたしの せいなのね・・ 


 いいのよ。 エルド・・ わたしの ことも たべてしまいなさい。」






エルドは おおきな つばさを めいいっぱい ひろげると


いっきに そらへ まいあがり やまのほうへ とびさりました。




あっと いうまの できごとでした。



しあわせな かぞくの じょうけいが 

ひげきへと ぬりかえられた しゅんかん でした。






トウフィの ひつうな さけびごえに おどろいたのか


むかいの いえから かれの りょうしんが なにごとかと


とびだして きました。





カエルは エルドが とびさった そらを みあげながら


きゅうに からだの ちからが ぬけて 


そのばに くずれるように すわり こみました。





カエルは じぶんの たいせつな こどもを うしなったことも


たいせつな エルドが このさき どういう ことに なるのかと・・


ふあんと かなしみが おおきな なみのように おしよせてきて。




こころと しこうが はたらかなく なりました。




なきくずれる トウフィの ようすを

ひょうじょうも つくれずに ただ ぼんやりと ながめていました。






**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あるほし で おこなわれた じんこうせいめいたい の



たんじょうと はんしょくの じっけん・・・



そこで うまれた ドラゴンの げんけいである



「ドレイコ」という せいめいたい。





ちのうが たかく



にくたいを ぶっしつか も ひぶっしつか も



じぶんの こころの ままに できてしまう とくせいを もっている・・



ほかの せいめいたいを したう



せいしんの こうぞう を もち それゆえに 


しぜんはんしょくに なかなか いたらない ふつごうさを あわせもつ・・










【ナンバー 10】として かんりされていた



かがくしゃ ドクターカエルの いでんし じょうほうを もとに


うまれた ドレイコ 「エルド」が けんきゅうじょの しいくじょう から



だっそうして はんとしを まわり・・



カエルは その こいびとで げんがっきそうしゃ の



トウフィと けっこんし ふたりは あたらしい せいかつを



おくりはじめて いました。





ふたりの けっこんしき の とうじつ。




とつじょ すがたを あらわした 「エルド」。






けんきゅうじょ から きょかを えられて 


ドクターカエル こじんの かんりか に おかれる ことと なりました。





カエルを したい つづける ドレイコの 「エルド」のため には



いのちを ながらえるための さいぜんの しょち でした。




~ もう おりに はいれと いわれない。



~ こどもの ドレイコを つくれと いわれない。






このことが エルドを どれほど あんしん させたか わかりません。



こころの あんてい こそが


ドレイコの せいめいを いじ する ために


もっとも ゆうせん されること だったのです。











けんきゅうじょ では うつくしい すがたの ドレイコだった



エルドの クローンを りょうさん するための



じゅんびが ちゃくちゃくと すすんで いました。




しいくようの すいそうには


エルドの いでんじょうほうを もとに


だいに、 だいさん、だいよん・・と・・


きらめく ぎんいろの からだと つばさを もった 


ドレイコたち が そだち はじめて いました。




いままでと ちがって とくていの たんとうかんりしゃを



ドレイコ それぞれに わりあてる ことなく そだてられて いきました。




ドレイコ どうしが おたがいの あいだで じせだいを うみだすように。



いしゅ との せってんを できるだけ せいげん したの でした。











やまあいで ひっそりと カエルの もとに



くらしはじめた 「オリジナル の エルド」は。



にげた とうしょに すっかり やせてしまって いたものの



いまでは みちがえるほどに からだも おおきく げんきに なっていました。




ここでは エルドにとって すべてが じゆう でした。





ムラの ひとびとも ドレイコが おとなしく かしこい


いきもの だという ことを エルドを つうじて まなびました。





エルドも むらびとに かわいがられるのを ここちよく おもいました。




ムラの おおきな こうじが あるときは


エルドが しざいの うんぱんに 


かりだされる ことも ありました。




きかいと ちがって いきもので ある エルドが


はこぶことで よぶんな エネルギーを つかわずに



すませることが できました。




しかも ドレイコの さいだいの とくちょうである・・



どんなに うごいても しょくじを ひつようとしない という りてんも


たいへん ちょうほう されました。





「とても あたまが いい から

 いちど おしえると まちがうことも ないし


 こちらが のぞむことを きちんと よそうして うごいてくれる・・


 ほんとうに ドレイコは すばらしい いきものだね」





むらびとが エルドを かわいがり ほめることが


エルドにとって しょくじに つながる こころの まんぞく なのです。



(ここでなら みんなに よろこばれて かわいがられる)


(だれも ぼくに いやな ことを しない)





エルドも しあわせ でした。




エルドは あさと ゆうがたに


カエルと トウフィの いえの そばの ひろい あきちに


やってきて ふたりの ようすを かくにんすると



じぶんの すみかと している やまのなかへと きえていくのです。









カエルと トウフィが いっしょに くらしはじめて はんとしが すぎるころ。




カエルは からだの へんか に きが つきました。


しょくじが あまり できなく なりました。




そんな ようすを おっとの トウフィも しんぱいして



びょういんへ いくように と すすめました。





びょういんでの けんさは あっけなく おわりました。




カエルは そのひ けんきゅうじょの しごと を やすみ



まっている トウフィの もとへ まっすぐ かえりました。




いえでは トウフィが つぎの えんそうかいに むけて


あたらしく きょくを つくって いました。




いえの そとにも その ねいろが きこえて きます。




「・・・ おかえり・・ どうだった?」



カエルの ちのけの うすい かおいろを みて



トウフィは やっぱり びょうきなのかと しんぱいを しました。





「つかれただろ・・ のみもの なら くちに できるかい?」




トウフィは ようい していた

スープを カップに そそいで テーブルに おきました。




「きみの おかあさんに おそわったんだよ・・

 ちいさい ころから だいこうぶつ だって いう スープをね・・」





カエルは ゆっくりと テーブルに つくと、


トウフィも すわって と いいました。




「トウフィ ありがとう・・ びょうきじゃ なかったの」




「・・ っていうと・・ なに? どうしたの? 」




トウフィに すこし にぶい ところが あるのは


けっこんする まえから きづいて いましたが


ここまでとは・・ と カエルは すこし おかしくて


くすくすと わらいだして しまいました。




「・・・・? なんだよぉ・・?」



カエルの わらうようすに つられて


トウフィも えがおに なりました。




「こどもがね、 もうすぐ・・ うまれるわ。トウフィ・・」



トウフィは しばらく

カエルを みつめたまま うごかなくなり・・



ひょうじょう さえも えがおの まま とまりました。




「・・え・・   なんて?!・・」


トウフィは カエルが いっていること が


すぐに のみこめず・・たずねかえして きました。




「トウフィ・・ あなたは おとうさん に なるの・・」



トウフィは だまったまま たちあがると


うろうろと テーブルの しゅういを あるき まわり・・・



いすに こしかけた ままの カエルに だきつきました。



「そうか・・! ありがとう カエル!


 そうなんだ・・!!! すごい!!! うれしいよ!!!



カエルの なかで あたらしい いのちが


すくすくと せいちょうを はじめました。






**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ある ほしに 「せいめいたい」として にくたいを もって いきる ことの

けいけんを のぞんだ 

「ある たましい の チーム」の なかの

【リーダー】 と 【ひとつの たましい】。




それが トウフィ と カエル という

だんせい と じょせい の ちてい そんざい に なりました。







ひろい うちゅう が できてから。 



あるとき。



いしき が めばえ ました。



「さいしょ の わたし」と よばれる いしきは・・・



「わたし」とは なにか。

「うちゅう」とは なにか。


とても そぼくな ぎもんを もちました。



ぎもん の こたえ を もとめる ことと

じゅんすいな こうきしん を みたす ために

「わたし」は 「わたし の ぶんしん」を

むげんに つくりだし 

それぞれの 「わたし」に 

さまざまな ぼうけんを させることに しました。



ぼうけんは いまも これから さきも 

はてしなく つづいて います。








「さいしょ の わたし」は

すべての ぶんしん の けいけん を 

じぶん の ものに することが できます。




つきる ことの ない 「ぶんしんたち」の ほうこく が

「さいしょ の わたし」には どれも きょうみぶかく

さらに おおくを しりたくて・・・



また ひとつ また ひとつ と

「わたし」の「ぶんしん」は ふえつづけて いきます。







そして 「さいしょの わたし」の よそくを 

はるかに こえた てんかいが

「たましい としての いしき」たちに よって 

くりひろげられる ことが 


かずが ふえる ほどに おおく おこるように なりました。







「せいめい」と いうものが うちゅうの あちこちに


たんじょうし ぶんめいを きずきあげる ようす を みました。



せいめいたい が ふえる ようす も みました。


そのときに めばえる かんじょう と いうもの を しりました。



いのちが おわるの ところを みました。




なんども なんども 

うちゅうの ほしの かずを はるかに うわまわる ほど・・




「たましい」が にくたいを はなれて

「わたし の ぶんしん」である ことを おもいだすのを

みつづけ ました。




「ぶんしん」の「わたし」の おおくが 


おなじ ような ほうこく するの でした。





「もういちど にくたい を もちたい」と。









「さいしょ の わたし」は おもうのです。




にくたい を もつとき は 

「かろやかな たましいの せかい に かえりたい」と ねがい。


にくたいを てばなす と 「にくたいを もちたい」と ねがう。



これは いったい どういう こと なのか。。。



むじゅん の しょうじる それらの ほうこくを

わくわく しながら きくの でした。







いっぽう では。



たましい が さらに ぶんれつを する と おもえば。


たましい どうし が ゆうごう するのも みました。





「さいしょ の わたし」と まったく どうしつ で ありながら も


それぞれに こべつ の いしき として 


たましいたち は せいちょうを しているの でした。











「さいしょ の わたし」は おもう の です。
 

「わたし」は どこに むかうのか・・・




そして 「わたし は なにか」を 

りかい できる とき は くるのか・・・






それは ふあん ではなく

はてる ことの ない こうきしん として 

「さいしょ の わたし」を つきうごかします。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




ことの なりゆき を きょうみぶかく かんさつ しつづける


「さいしょ の わたし」にとって


【トウフィ】 と 【カエル】・・



そして

ふたり を とりまく すべてに やどる 

「わたし の ぶんしん」たち の ぼうけん も また。



やさしい まなざしで みまもり つづけて います。




「どんな ことも すばらしい けいけん」として


かけがえの ない かち と いみ を みいだしながら・・・。








**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
にげつづける エルドに とって

それは くのう した すえの けつだん でした。







けんきゅうじょ から とうぼうし 

すでに はんとしを すぎようと していました。



せいちょうした ドレイコに とって せいめいいじの かなめの

たいきから とりいれる エネルギー が 

じょうずに きゅうしゅう できなくなって・・



エルドは すっかり やせて にげた ころより

ふたまわり ちかくも からだが ちいさく なっていました。



やまあいの どうくつに みをよせながら


ときおり だいすきな カエルの すがたを もとめ

にくたいを ひぶっしつか させて 

ムラの じょうくうを とんでいました。




カエルと こんやくしゃの トウフィが 

おがわぞいに いえを たてたのも みていました。



(カエルは あの オトコの ニンゲンと くらすのだ・・)



それは エルドにも りかい できました。


それほどに カエルに とって 

あの ニンゲンが だいじなのかと

ふまんに おもう はんめん・・・



それも しかたが ないのだ と いう きもちも

わきはじめて いました。



エルドなりに トウフィと いう ニンゲンを

かんさつ しつづける なかで・・・



(カエルを とても たいせつに している)


それが だんだん わかって きたから・・・ 








カエルと トウフィの けっこんしき が

ムラで ささやかに おこなわれました。



ムラの ひとびとが てりょうりを もちより

ふたりの かどでを いわう パーティーを ひらいて くれました。



ムラの ひとびとの まえで 

ふたりは しょうがいに わたる あいを ちかいました。



いみんの うけいれの おおい このほしでも

まだまだ すくない いせいじん どうしの けっこん でした。




「わたしたちの けっこんが ふたつの ほしの 

 ひとびとに とっての こうりゅうが ふかまる きっかけに なれば

 それも また うれしい かぎりです・・」



ひきずる ほどに すその ながい ドレスを 

カエルは てで つまみながら トウフィと うでをくんで

ムラの ひとびとの えがおに かこまれて しあわせ でした。



カエルの りょうしんも むすめが まさか 

いじゅうさきの ほしの ニンゲンと けっこんを するとは

そうぞうも して いません でした。








ふたりの しんたいてきな 

きほんこうぞうも いでんしのはいれつも

それほど ことなる ものでは ないことは

いじゅうしゃの せいたいデータ から 

すでに わかって いること でした。




ぜんれいが すくない とは いえども

かこに カエルたちの しゅぞくと 

トウフィたちの しゅぞくとの あいだでの けっこんは 

それまでにも あり、

こんけつじ が たんじょうしている じじつも ありました。



ですので ふたりにとっては

それほどの ふあんは なかったのです。








ムラの しゅうかい しせつの なかで 

しきを とりおこなった のち。



はなを しきつめた みちが ふたりを むかえました。

むらびとが そうでで よういした おくりものです。



トウフィは その てづくりの あたたかさに かんどうし

おもわず うれしさで なみだが こみあげて きました。



「・・ こんなに しゅくふくして もらえるなんて・・

 しあわせ すぎて こわい くらいだ・・」




ムラの こどもたちが はなでつくった かんむりを 

カエルと トウフィに かけよって さしだします。



「なんて きれい・・! どうもありがとう・・」



ふたりは しゃがんで こどもたちから

かんむりを かむらせて もらいました。










いちじんの かぜが まいおこり・・・


さんれつしゃの いふくの すそを おおきく なびかせました。



きょうれつな かぜに ひとびとは 


テーブルの うえの


かざりつけや ならんだ ごちそうが


とばないようにと あちこちで おさえていました。





きりさくような ひめいが おこりました。




なにもなかった くさはらに

いえよりも おおきな ぎんいろの かげが うかびあがりました。

くうかんから いきなり あらわれました。



たかく かざした ふたつの つばさを 

ゆっくりと たたむと いきものは 

そのばしょ に すわりこみ ながいくびを じめんに おろしました。




ひとびとは みたこともない きょだいな せいぶつが

とつぜん すがたを あらわれた ことに 

きょうふを おぼえました。



「エルド!!!」


カエルは おもわず かけよりました。



きょうふに ひめいを あげる ひとびとに

カエルは おおきな こえで けんめいに かたり かけました。




「みなさん、 だいじょうぶ・・ さわがないで。

 このこは とても おとなしいの!!!


 ニンゲンに きがいを くわえません!!!

 こわがらないで ください!! おねがいです!!!

 わたしの けんきゅうじょで しいく している 

 たいせつな せいめいたい なんです」





カエルは めを うたがいました。



あれほど うつくしかった からだから つやが なくなって いました。


なによりも ちいさく やせている ことに

むねが いたみました。




エルドは みどりいろの ひとみで 

じっと カエルを みつめて ちいさく はなを ならして います。




「こんなに やせて・・

 どこに いままで いたの・・ しんぱいしたんだから!!!・・

 ほんとうに・・ ぶじで よかった・・」




エルドは きょうが 

カエルに とって とても とくべつなひ なのだと 

かんじとって いました。




(きょうを のがすと もう・・ 

 カエルに まえに でる きかいを なくす)




エルドは わかっていました。


(どんなに のぞんでも カエルにとって

 じぶんは トウフィという そんざいの つぎ なのだ)







トウフィは エルドを まじかで みるのは これが にどめ でした。


けんきゅじょで みたときは おくないの しいくしつ でした。


いまよりも ずっと ちいさくて

からだは つややかな ぎんいろに かがやいて いたのを 

・・・おぼえています。。




そして その 【ドレイコ】に てきいを しめされたことも。。




エルドは はいつくばった じょうたいで

すこしずつ カエルに にじりよりました。



「そうよ おいで・・ エルド。 もう にげなくて いいの。

 かえってきても だいじょうぶ。 

 だれも もう おまえを おりに いれたりしないから。」




むらびとたちは あまりに おおきな いきものに

あっとうされ おもわず あとずさります。



トウフィも にげたい きもちで みを かたくして いました。




そのようすを エルドは しばらく ながめて いましたが

くびを のばして トウフィの まえに はなさきを つきだすと

おおきな みどりいろの ひとみを しずかに とじました。





カエルには それが 

ドレイコの ふくじゅうの しぐさで あることは

じゅうぶん すぎるほど わかって いました。



「おねがい。・・トウフィ・・

 なでて あげて・・!

 エルドは あなたに しんらいを しめして いるの・・!

 おねがい!!! なでてあげて・・」




トウフィは こわいと かんじながらも・・・


カエルが あまりに ひっしに ねがうので

おそるおそる ぎんいろの やまのような いきものに

ちかよりました。



そっと てを のばして その はなさきに ふれました。


あたたかい いきが はなから ふきだされるのを かんじました。




・・・ いきている! ・・



そんな あたりまえの ことに 

しょうげきを おぼえるほどに

その からだは あまりに ぎんいろで

まるで つくりもの のようにすら みえるのでした。




エルドは トウフィの においを おぼえました。



カエルの においに すこし にていると おもいました。 



(カエルが みとめる なら 

 ぼくも この オトコの にんげんを みとめる)



エルドの せいいっぱいの きもちでした。




トウフィを うけいれた ことで エルドは

ちいさな へんかに すぐ きがつきました。




すいこんだ くうきに あじが しました。


おなかが みたされて いくのを かんじました。


ようやく エルドの こころに やすらぎが もどり はじめたのでした。









カエルは きめました。


もう エルドを けんきゅうじょには もどさないことを。


ムラで エルドを そだてる。


じぶんの もとで かんりを する・・


エルドにとって きっと いちばん しあわせな ことのはず・・




けっこんの ひに あらわれた エルド・・・


それにも きっと わけが あるのだろうと おもえてなりませんでした。




エルドは しばらくすると 

やまの ほうへと はばたいて すがたを けしました。




もう、エルドは にげない・・


カエルには ふしぎな かくしんが ありました。






**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トウフィは カエルの じっかに ほどちかい 

やまあいの へいちを かい ました。



そこに ふたむねの いえを たてました。


ふたむねは ちいさな おがわを はさんで

ちょうど むかいあう ように たてられました。


すこし こふうな がいかんとは ことなり

なかは きんだいてきで さいしんの せつびを ほどこした ものでした。



いっけんは トウフィが じぶんの りょうしんに おくりました。



もう いっけんは トウフィと カエルの あたらしく はじまる

せいかつの ぶたい として でした。



ふたりが けっこんを やくそくして このほしの こよみで

はんとしを まわろうと しています。



クニで とても ゆうめいな がくしのため

トウフィの こんやくの わだいは 

ひろく よのなかに つたわって いました。



それでも トウフィの つよい きぼう・・

「りょうけ だけで しずかに けっこんしきを あげること」を

かんけいしゃも みとめました。




トウフィが がくしとして かつどうする ために

さまざまな かんりを とりおこなって いる

しょぞくさきの かいしゃも ねがいを うけいれ ました。



「がくしで ある まえに 

 きみが ひとりの にんげんと して

 しあわせに なってほしい・・ そう おもっているよ。」



トウフィは がくしとして せけんに みとめらる いぜんから

ささえて おうえんを しつづけて くれた 

かいしゃの ひとびとに

あたたかく その ことばを おくって もらいました。




「かていを もって このさき きみの おんがくが

 もっと ひとびとに きょうかんと かんどうを もたらすように

 えんじゅく していく ことを きたい して いる。」




トウフィは ふかく かんしゃして いました。



「ごきたいに そえるように いっしょうけんめい どりょくします。

 ほんとうに ありがとう ございます・・」



☆☆



どうじに トウフィは 

いえとは はんたいの ほうめんに ある

うみべに べっそうを たてました。


べっそうの まえには しずかな うみが ひろがります。



いままで ためてきた おかねを おもいきり つかい

トウフィは ほしかった すべてを けっこんを きかいに 

かいもとめ ました。



こがたの さいしんがた の ひこうき も かいました。



そうじゅうする ための しかくも 

けんめいに べんきょうして しゅとくを しました。



じたくと べっそうを ゆきき するのに べんりだと かんがえて。



それまで トウフィは 

だいじな がっきの ていれの ためと

せいかつを するのに ひつような ものの ほかには

とくべつな ぜいたくは なにひとつ ・・


じぶんの ために おかねを つかった ことが ありませんでした。



おかねに かんしんも ありませんでした。



おんがく さえ できるので あれば 

それで じゅうぶん まんぞく だったのです。



けっこんを いしき する までは。








トウフィが うみべに べっそうを たてた りゆう。


それは カエルが 「わたしは うみを しらないの」と 

いった からでした。



カエルの りょうしんが 

ほかの ほしから いじゅうしてきた わけは

ふるさとの ほしの かんきょうが へんか したために

くらしにくく なっての ことでした。



この ほしに やってきて からも

もとの ほしに にた ばしょを もとめて

みどりの おおい やまあいに くらして きました。



「うみ・・ って そんなに すてきなの?」


そんな カエルに 

たてもの だけでは なく しゅういの とちも ふくめて ・・ 


プライベートな うみを まるごと プレゼントすると きめました。







ふたりの けっこんの ひどりが きまり。



カエルの そだった ムラ・・


そして ふたりが このさき くらす ムラで

りょうけ だけの けっこんしき を

おこなう ことに なりました。



きんじょの ひとびとが うわさを ききつけて

「ごめいわく でなければ・・」と

ささやかな パーティを ひらくことを ていあんして くれました。



カエルの りょうしんは ほんとうに うれしく おもいました。


このムラに やってきてから いまに いたるまで

ムラの ひとびとは しんせつ でした。







いっぽう けんきゅじょ では。。。


とうぼう した ドレイコ 【ナンバー10】の

いでんじょうほう に もとづいて

その クローンを たんじょうさせる じゅんびが はじまっていました。



「エル・・ いえ、【ナンバー10】の ほかくを あきらめるの ですか・・」




カエルは じょうしで せきにんしゃの 

おじいさんドクターに うったえました。



「つれもどした ところで・・

 あの ドレイコには もう しぜんはんしょくは のぞめない だろう。

きみが いちばん よく そのことを わかってる はずだ。」



おじいさんドクターは しいくじょうの ドレイコたちを ながめました。


「みなさい。カエル・・

 あの 【ナンバー10】 に まさる うつくしさを もった

 ドレイコが いるかい・・?


 われわれの しごとは 

 【よその ほしぼしに あたらしい しゅを おくりだすこと】なのだよ。


 あたらしければ いい わけでもない。


 きにいられ うけいれて もらえる うつくしい しゅ でなければ。

 そして、 ひとの てを かいさずに はんしょく する のうりょくが

 なければ。。。 いみが ないのだよ。 わかって いるだろう。



 あの ドレイコたち すべてが しっぱいさく とは おもわない。

 ただ・・・


 あまりに 【ナンバー10】が うつくしかった から・・


 わたしは あきらめたく ないのだ。


 りかいを してほしい。 いいかね・・カエル?」



 このほしの いちだい じぎょうである 

 あたらしい しゅを つくりだし ゆうえきな せいめいたい として

 ほかの ほしへ おくりだす・・・


 そのための きかんに じぶんが しょぞく している じじつを

 カエルは あらためて おもく うけとめました。



「それは なんの ために・・ ほんとうの もくてきは ・・」


おじいさんドクターは たずねる カエルを みつめる こともなく。



「いまさらかね・・ ドクターカエル。。」


クローンを いくせい するための きょだいな すいそうを みあげながら

おじいさんドクターは いいました。


「この せいいきの ほしぼし との やくそく だから。

 われわれの ほしの やくわり なのだ。


 そのために このほしの すべての クニが

 この じぎょうに しきんを とうじて くれている。


 うみだされる あたらしい しゅは

 この せいいき の きょうゆう ざいさん に なるのだから。」



カエルは すいそうを そっと てを のばしました。



「やくわり・・ そうですね・・・

 つよくて じゅうじゅんな いきもの ・・・

  それが ・・ かいはつの しゅし ですものね・・」



それは しょくりょうと して では なく

へいわてきに かつよう される

すぐれた ちのうを そなえた

いきた ろうどうりょく として。




どんな かんきょうでも いきられて

ひとびとに あいされる ・・


ゆめの ような せいめいたい・・・



あおぞらに つばさを ひろげて まいあがる 

エルドは まさに りそうてき でした。



だれもが みがきあげた きんぞくのような

きらめく ぎんいろの すがたに ひかれました。

 

「このまま ・・【ナンバー10】が ほかく できなければ・・」



カエルは ためらいがちに たずねました。



「にげつづけて いずれ しょうめつ。。。か?


 つかまえた ところで 

 やつは また にくたいを ひぶっしつか して

 するりと のがれて いくだろう・・ 


 かんりしゃ として むせきにん ・・かな・・」



おじいさんドクターは はじめて カエルに かおを むけました。


そのめ には さみしい いろが うかんで いました。



「わたしだって・・ ざんねん なんだ・・

 クローンなど・・ ほんとうは つくりたく なかった。

 【エルド】となづけていたの・・ だったかな・・ あの ドレイコ。。

 せいかくも なかなか かわいらしかった・・しなぁ・・」



カエルは なみだが あふれだし おもわず したを むきました。



「きみが いちばん つらいだろう・・ すまない。。

 ゆるして おくれ・・ ドクターカエル・・」



まごむすめの ような カエルの きもちを かんがえる ほどに

おじいさんドクターも くるしく おもって いたの です。




エルドを たんじょう させる ために

じぶんの いでんしを ていきょうした ドクターカエルに とって

オリジナルの 【ナンバー10】が 

どれほど いとおしい そんざい なのか・・



じぶんの ことのように わかって いました。




**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
けんきゅうじょ から にげだした ドレイコ 【エルド】が

やまの なかの ほらあなに みを よせて くらしはじめて から

およそ 2しゅうかん が たちました。






からだを ひぶっしつか させて すがたを けすこと が できても

ねつりょう や しつりょう を かんちできる そうちで

みえない ドレイコが どのあたりに いるのかを さぐること は


けんきゅうじょで ひつような こと として はやくから

かいはつされて きた ほうほう です。




「おそらく・・ 【ナンバー10】は やまの おくに ひそんでいます。

 みつけて つかまえることも むずかしくは ありませんが・・」



しいくいんで こうせいされた ついせきチームは 

ドクターカエルに ほうこく しました。



「あの ドレイコは とても さみしがりな せいかくを しているのです。

 にげて かれこれ 2しゅうかん は たちますから・・


 いずれ かならず・・ わたしに せっしょくを してきます。


 しばらく  。。 もう しばらく じかんを ください。」






じたくの うらやまの おくに ひそんでいる エルドに

たのむから でてきて ほしいと ねがう カエルでした。



むりやり ほかくを しようと すれば また にげるに きまってる・・



エルドは なにか わたしに うったえたくて

あんな むちゃを したといか おもえない・・



カエルは ぎんいろの エルドが ひざしのしたで

みがきあげた きんぞくのように かがやく ようすを 

おもいうかべて ・・ なけて きました。



「ごめんね・・ わかって あげられなくて・・ エルド・・

 いやだったのね。。 むりに つがいに されるのが・・」




☆ ★ ☆



エルドは やまに にげこんでから 

からだが やせていくのを じぶんでも わかっていました。


しょくじを とらない ドレイコたちは 


エネルギーを たいき から えて いました。



それは とても せんさいで

こころの ありかたが エネルギーの とりいれに

おおきく えいきょうを あたえていました。



~みたされている まんぞくしている あんしんしている 


ドレイコが そう かんじてれば じゅうぶんな エネルギーを

すいこんだ たいき から えることが できます。




~ふあん おちつかない さみしい こわい


そういう しんりじょうたい の ばあいは 

エネルギーとして へんかんが されなくなります。



いま、 さみしくて ふあんで しかたのない エルドは


どんなに くうきを とりこんでも

エネルギーと することが できません。。




(けんきゅうじょに もどれば カエルに あえる)


(けんきゅうじょに もどれば メスと おなじ ゲージに いれられる)




エルドの こころは ふたつの せんたくし の あいだで

ゆれうごき まよいつづけました。




しかし どうしても。


(メスの ドレイコと おなじ ゲージに はいる)


そして 


(こどもを つくれと むりじい されること・・)


これだけは いやだと かたくなに おもいました。




(やっぱり・・ かえれない・・)



ほらあなから そとに でようと くびを そーっと そとに のばしました。



たいようの ひかりが まぶしくて

めが くらむのを かんじながら・・



(においを たよりに カエルを さがそう)



すがたを ひぶっしつか させて しゅういに とけこむと

おもてに ようやく でました。





☆ ★ ☆




エルドは すがたが みえない じょうたいに 


からだを へんか させると そらへ まいあがり ました。



やまあいに へいちが あり そこに いくつかの

ちいさな たてものが てんてんと あります。


ややとおくに けんきゅうじょの しいくじょうが あります。



はなの かおりに まじって

ニンゲンが しょくじを する ときの においが しています。



(あのあたりは ヒトが いるんだ・・)



エルドは おともなく せんかいし 

ちいさな たてもの の たっている あたりを めざして 

ゆっくりと ひこうする たかさを さげて ちかづいて いきました。



ニンゲンの すがた が みえて きました。


みちを ゆきかい あいさつを かわす ようす・・・

たてものの そとで なにか しごとを している らしい ようす・・


のりものに またがり いどうを するようす・・



6にんの しゅうだんを みつけました。


(カエルが・・ いる!)



エルドは さらに こうどを さげて ようすを みようと せんかい しました。







カエルと トウフィは ふたりの りょうしんと いっしょに

カエルの くらす ムラに ふたりの しんきょを もとめて きていました。



やまあいの このばしょ が トウフィは とても きにいっていて

カエル と けっこん したら ここで くらそうと

かんがえて いたのです。



「ねえ、いい ムラ でしょう・・ とうさん、 かあさん・・!」


トウフィは カエルと てを つなぎながら


うしろから ついてくる りょうしんに はなしかけました。



「どうせなら・・ ぼくらの いえの そばに 

 もう いっけん たてて・・

 ふたりも ここで くらしたら どうかな・・?」



トウフィの りょうしんは あたりを たのしそうに ながめています。



「しぜんに かこまれて・・ なんて いいところでしょう・・」


「この クニに まだ こういう とちが あるのですね・・」



カエルの りょうしんは わらいました。


「いなか な だけです・・ マチからは とおいし ふべんですよ。

 ただ ほしぞら は とても きれいです・・

 ふるさとの ほしを おもいだせて・・ きにいっています。」



ちゃいろの かみに しろい はだの

このほしの じゅうにん である トウフィの かぞく。


ほかの ほしからの いみんで

ぎんいろの かみに しろい はだで

みどりの ひとみに・・ 

すきとおった じったいを ともなわない つばさを

せなかに つけている カエルの かぞく・・・



「ごくろうも おおかったのでは ありませんか・・

 いまは このほしに いじゅうされる かたも おおくなりましたが・・

 それでも まだまだ じゅうぶんな うけいれの かんきょうが

 ととのっているとは いいにくいですし・・」





「みなさん やさしくて しんせつです・・

 こまることは ほとんど ありませんでしたよ・・

 とても いいほしに いじゅう できたと かんしゃ しています・・



 こうして むすこさんに むすめを だいじに していただけて・・・・


 それだけで わたしたちは もう じゅうぶん すぎるほどに

 しあわせです・・」

 

なかむつまじく てをつなぎ さきを あるく

カエルと トウフィの すがたに


ふたりの りょうしんは うなづきあいました。



「いつまでも しあわせで あってほしいですね・・」



☆ ★ ☆



エルドは おもいました。


(あの ニンゲンは みおぼえが ある・・)


カエルと したしそうに ならんで いる ニンゲン・・




かつて まだ けんきゅうじょの たてものの なかの しいくしつで

くらしていた ころに・・カエルが つれてきた オトコだと・・


すぐに おもいだしました・・



(カエルには ボク の しらない せかいが ある・・)



エルドは かなしくなり かぜを つばさに うけながら

いっきに じょうくうへ まいあがりました。



(カエルの ところにも ボクは いくことが できないんだ・・)




エルドは やまのなかの ほらあなに もどり

つめたい いわだらけの じめんに うずくまりました。



(こうして かくれて いるしか できない・・)


カエルの たのしげな えがおが あたまの なかを よぎります。



(ボクの カエル・・ボクの カエル・・なんだから・・)


(あの いっしょに いる オトコは なにもの なのだろう・・)



いらだちと さみしさが エルドの こころを あっとうします。



ほらあなの いりぐちは 

そとの ひかりで しろく かがやいて みえます。




きいろい チョウチョが 2わ ・・


ダンスを するように ひらひらと まっている ようすを めで おいました。




(・・・おなか が ・・へったなぁ・・)



なんども くうきを すいこんでも 

エルドには おいしさを かんじることが できませんでした。




**つづく**




☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆WEB小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ

にほんブログ村




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ほどなく こんやくを した がくしのトウフィと かがくしゃのカエル。

たがいに とても しあわせな じかんを あじわって いました。



いっぽうで カエルは おおきな こんなんを むかえて いました。







どうしても 「じんこう せいめいたい 【ドレイコ】の じせだい」を

しぜんはんしょく させたい と ねがう

かがくしゃチームの しきを とる おじいさんドクターは

おくがいの しいくじょうに きょだいな ゲージを つくりました。




ドクターカエルの いでんしを ベースに たんじょうした

ぎんいろの からだに みどりの ひとみを もった

「エルド」こと【ナンバー10】と 

こがらで あいきょうの ある あかいメス の こたい  【ナンバー9】を

おなじ ゲージのなかで しばらく かくりして

ようすを かんさつする という ものでした。




ドレイコたちは からだを かんぜんに ひぶっしつか させる

のうりょくが あるので にげることも できます。


しかし けんきゅうじょで うまれそだった かれらは

みな ひとなつこく けんきゅういんや しいくいんから

はなれることを のぞまずに おくがいに はなして しいく しても

にげる ようすは まったく ありません。




「ゲージに うつそう。 【ナンバー9】を さきに いれよう。」




あかい メスの ドレイコ 【ナンバー9】は

カエルの せんぱいに あたる だんせいの ドクターの

いでんしを もとに たんじょう しました。




「なんだか・・ むすめを およめに おくりだす きぶんだな・・」



せんぱいドクターは

すこし さみしそうな ようすで そう いいました。


「きみの ごりょうしんも 

 いまの ぼくと おなじ きぶん だろうなぁ・・」



カエルの こんやくの はなしは 

けんきゅうじょで いまや いちばんの わだいです。


なにしろ おあいてが クニで 

にんきのある ゆうめいな わかい がくしだと いうことも あり・・



その がくし トウフィが つい このあいだ まで

けんきゅうじょの うらてに きては

おんがくを かなでて いたのを 

みんなが こころまちに していたのです。。



その ばしょは いま、 こうだいな しいくじょう として

ドレイコたちを はなして いる 「ここ」。。。






「・・なにを おっしゃるんですか・・

 これは べつの はなしでは ありませんか・・!」





てれかくしに わらう カエルですが・・・

やはり エルドの ことが しんぱいで たまりません。



「こんどは おびえて にげないと いいのだけれど・・

 わたしも やっぱり ふあんです・・ 【ナンバー10】の ことが・・」



おともなく ゲージが ひらくと


あかい めすの ドレイコは

せんぱいドクターの てのうごきを みながら

すなおに そのなかに はいりました。




「このこは よく わかっているんだよ。

 ぼくが この じっけんを せいこう させたいと ねがっていると・・

 なにも ていこう しないで なんでも したがうんだ。。

 いじらしくてね・・ たまらないよ。」




せんぱいドクターは ドレイコが ちいさく なきながら

ゲージの なかから はなを つきだして あまえるのを

ほほえみながら なでました。




カエルは むねが いたむのを おぼえました。


エルドだけじゃない・・


どの ドレイコも みな・・ ほんとうは わかっている・・



いずれ、 このほしから よそに おくりだされていく うんめいをも・・



しいくいんに つれられて エルドが ゆっくりと

ゲージへと むかって あるいて きました。



「おいで・・ エルド。」



カエルが よぶと エルドは おおきな からだを よじりながら

ぜんしんで よろこびを あらわして

かけよってきて じめんに ころがって みせました。



「そうね・・ うれしいよね・・

 ひさしぶりに あえたものね。 エルドったら・・


 あなたの あたらしい おうちに はいってね?!」




カエルが しめした さきに ゲージに はいった

あかい メスが います。



「あのこと くらすのよ。 いいこだから。 はいって。」




カエルは みずから ゲージのなかに はいりました。


「おいで。エルド。

 こわくないから。 さあ・・ なかに おいで。」



じめんに ころがった まま くびだけ カエルのほうに むけて

そのようすを みつめていた エルドは


みを ひるがえし すっくと たちあがると・・


つばさを おおきく ひろげました。


どうじに からだは まわりの けしきに とけあうように すけて


まいあがると たかい あおぞらに きえて いきました。



「・・・エルド!・・・」


カエルの さけぶこえを ききながら・・

エルドは それでも ここにいることは できないと かんじました。




ようすを かんさつしていた すべての ひとびとが

ためいきを つきました。



「・・・にげたか。 やっぱり・・」



ドレイコの しつりょうを そくていする そうちで 

にげた エルドの ゆくえを おう

しいくいんは うつしだす モニターと 

とおくの やまのほうを なんども なんども

かくにん しながら・・



「はじめて・・ ドレイコが しいくじょうを だっそうしました・・」




どよめきが おこりました。




「・・ きけんは・・ ないのは わかっていても・・

 あの きょたい・・しゅういが おどろくだろう・・」



「ドレイコは ものを たべませんから・・

 ひとに きがいを くわえるとは かんがえにくいです・・」




しいくいんは めを ほそめて やまのほうを みつめました。




「おそらく・・ あの たにの ほうこう です。

 さいわい しがいち では ないので・・

 これから 【ナンバー10】の しょざいを かくにん し

 かのうで あれば つれて もどります・・」




カエルは あおざめて その やまの ほうを みつめました・・



「わたしの いえの ほうがく・・だわ・・」



まさか エルドは ・・【それ】を わかっていて・・?



ふあんと あせりと 

なぜだか あんどかんの いりまじる

そんな きもちで カエルは たんとうの しいくいんと

じたくの ほうめんへと いそぐのでした。







「だめだったか・・」 


なりゆきを けんきゅうしつの なかで みていた

おじいさんドクターは もう【ナンバー10】には 

きたいを もたない ことを きめて いました。


エルドの いでんデータは すべて かんりかに あるので・・



「クローンを つくれば それで いい」



そのクローンに じせだいを きたいすれば いいのだと・・

きもちを きりかえて いました。







エルドは すがたを ひぶっしつか して

もうれつな スピードで やまへ むかって とびました。


くうかんと くうかんが あっしゅくされて つながる ようすを みました。


じぶんが いる くうかんが いままでと ちがうことに きがつきました。


ふあんに かられて だいすきな カエルの すがたを もとめました。



においが しました。




はなのような みどりのかぜの ような・・


おさなかったころから すきだった カエルの においに にていました。






やまの なかに すがたを あらわすと・・



しゃめんに どうくつを みつけて そこに みを よせました。




しいくじょうの やわらかい くさはらとは おおちがい でした。


ごつごつし しめっていて つめたく くらいばしょ でした。




(あいたいよ・・ カエル・・)



でも けんきゅうじょに もどることは もう できないと

エルドには じゅうぶん わかっていました。




しめった くうきが おもく まとわりつき

さびしさは ますます つのるの でした・・





**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トウフィの えんそうかいが おわり まもなくの こと。

カエルの いえに トウフィが やってきました。


「きいて もらいたい ことが あるんだ」


しずかな いなかに ぽつりと たっている いえの うらては

やまに かこまれた たにに なっています。


トウフィの おきにいりの ばしょ。



トウフィは カエルと うらやまの けしきを ながめなから

かのじょと つないだ てを にぎり なおして いいました。


「このあいだは きてくれて ありがとう。

 きみの ためだけに ・・ じぶんの おんがくを かなでたんだ。

 そのときに・・ こえを きいた きが したんだ・・・


 【しゅくふくする】と・・いわれた。。」



カエルは トウフィを みあげて おどろきました。



「わたしも・・ あの えんそうかいの とき・・

 こえの ような ものが あたまに ひびきわたったの。

 そして・・トウフィと おなじ・・にね?

 【しゅくふく します】って・・ いわれた。」



トウフィは あぜん と しました。


「・・・ ほんとうに? きみも???」



カエルは しんじられないと いわんばかりに 

ほほを おさえて かおを さゆうに ふりました。



「・・でも、 ありえないでしょ?

 げんちょう を きいたのよ・・ わたし・・

 そんなの しんじない・・ ひかがくてき すぎる もの。

 わたしは・・ これでも、かがくしゃ なのよ?」



かぜに なびく カエルの ぎんいろの かみに 

みずを すくうように そっと ふれながら 

トウフィは ふしぎな きぶんに なりました。



そして とおくの やまを ながめました。


たにまを わたる かぜが すこし つめたくて

すっきりと した きぶんに させて くれます。




「ねえ、カエル・・

 すべて かがくで こたえを だす ひつよう なんて

 あるのかな って・・ ぼくは おもうんだ。


 ぼくは きみの しごとを ひてい して いっている わけじゃ なくて・・


 ぼくらに わからない ものが いくらでも この せかいには

 まだまだ あるんじゃ ないかって ・・・そういう いみで。。


 だって・・

 りかいを こえた けいけんを おなじ ときに いっしょに

 ぼくらは したんだよ・・  


 それも ふしぎで・・ しんぴてきな・・ね。


 これって すてきなこと だと おもわないか?」




トウフィの あたたかい てを にぎりながら 

とおくに けんきゅうじょの ドレイコたちが 

まいとぶ すがたを カエルは みつけました。



「かがくで せつめいが できなくても・・ しんじられるもの?」



トウフィの てが カエルの かたに まわって ひきよせます。


「きみは 【ぼくが どうして きみが すき】 なのか・・

 かがくてきに しょうめい しなければ きが すまない?」



「そんなぁ・・! なにを いうの?」



トウフィは 「じょうだんだよ」 と ほほえんで。

カエルに やさしく くちづけました。


「みえなくても たしかな ものって あると おもわない?」



カエルは ちいさく うなづきました。


「・・・ あるのかも。 そう おもえる ときも たしかに あるわ。」



もういちど おたがいが ここに いることを

そして おたがいに あいして いる ことを たしかめたくて

ふたりは ながい くちづけを かわすのでした。



「カエル・・ いっしょに くらそう。

 きっと この うちゅうが しゅくふくを してくれる はずだ。」



トウフィは まえから ずっと いいたかった ことばを カエルに つたえました。



こえが ふるえるのが わかり トウフィは はずかしく かんじました。



「けっこん しよう。 ・・カエル」




カエルの ひとみに きらめく ものが うかびました。


「その なみだは 【かなしくて】 なの かな・・?」

トウフィは やさしく ほほえみました。




「ちがうの・・ いじわる・・ わかっているのに きくのね?」



カエルの ながれる なみだを ゆびさきで そっと ふきながら

トウフィは まっかに なって くちを とがらせました。


「あたりまえ だろ・・ 

 ぼくだって せいいっぱい ゆうきを ふりしぼったんだぞ?」



「ありがとう・・ トウフィ・・ うれしい・・・!!!

 ほかの ほし から の 【いみん】の わたしを・・・

 えらんで ほんとうに いいの?」



カエルは ほほを あかく じょうき させて

なみだで ぐしゃぐしゃに なりながら むりに ほほえもうと しました。



トウフィは そのひょうじょうが おかしくて おもわず ふきだして しまいました。


「・・また! そうやって いじわるね!!」


カエルが てれかくしに おこるようすが かわいくて たまりません。



「ごめん・・わるかった! おこるなってば!」



トウフィは しんこきゅう を して。


カエルの てを とりなおし しっかりと にぎりました。



「【いみんの きみ】だから、じゃない。

 【きみ】だから ぼくは えらんだんだよ。」




☆ ★ ☆



けんきゅうじょ では たてもの ふたつぶんも ありそうな

きょだいな きんぞくの ゲージが しいくじょうの かたすみに つくられました。



「じゅんびは ととのった。 じっけんの だいにだんかいに すすもう」



おじいさんドクターは できあがった ばかりの ゲージの ぎんいろが

【ナンバー10】のドレイコ と よくにている と おもうのでした。






**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ドクターカエルの ボーイフレンド で

ふたりの くらす ほしの 

ある クニ で とても にんきの ある 

【がくし トウフィ】 の えんそうかい の ひ。



この ひ  しょうたい した カエル の ために 

トウフィが とくべつ に あつらえた ドレス は

よあけの そらが そまる ひとときに みせる

やさしく あわい むらさきいろ でした。


すけるように しろい カエルの はだ に

とても はえて にあう と おもったのです。


ふだんは  まるで きかざる ことの ない

かのじょ に とって はじめての 

とびきり じょうとうな ドレスです。



だれよりも だいすきな だんせい からの

たいせつな おくりもの。


カエルは じょせい で ある ことの しあわせを かんじました。



☆ ★ ☆



こんかいの えんそうかい は 

クニの もっとも さかえた まちで ひらかれます。


かいじょうは

ひろく しずかな こうえんに つくられた 

てんじょうが ない ステージ でした。



よるでも あかるい まちの なかで

この こうえんは

そらに ほしを みつけられる

ばしょ でした。



カエルは トウフィが よういして くれた

とくべつな せきに あんないされて

えんそうかいの はじまりを まちます。


 

やわらかい きじの すその ながい 

すてきな むらさきいろの ドレスを きた カエルは

じぶんが おひめさまに なったような きぶんで

きもちが うきたちました。



かのじょが ほかの ほし からの いみん で あること の あかし・・

せなかの あたりに ついている

すきとおった はんぶっしつ の つばさ が・・


それが おおきな リボンの ようにも みえて

ドレスすがた を いっそう はなやか に かざるの でした。







しばらくして。 


ひとすじの ひかりが するどく やみ を きりさき。

ステージ を てらしました。



わきあがる おおきな かんせいが

こうえんに ひびき わたり・・・



まっしろな いしょうを まとった

トウフィが つかいなれた みかづきの かたちに にている

げんがっきを てにして うかびあがり ました。



ステージの りょうわき には おおきな スクリーンが ふたつ

トウフィの すがた を おおきく うつし だして います。



きれながの すずしげな ブルーグレイの ひとみに

グレイッシュな ブラウンの まえがみが

さらりと かかります。


トウフィは かるく かお を  かたむけて かみを はらいます。


ゆっくりと いちれいを して いすに こしを おろし


ながい ゆびが げんを はじき はじめます。



もういちど こうえんに かんせいが わきおこります。





カエルは おおきく うつしだされる トウフィの すがたに

むねが どきどき しつづけました。



そこには・・・

かのじょが しっている トウフィ では なくて。


アーティスト として の かれ の すがた が ありました。




ふだんから ひとめを ひく 

びぼうに めぐまれた せいねん ですが 

ステージに あがり ライトを あびるとき。



かれの うつくしさ は

このよ の もの とは おもえない ほどに 

とうめいかん が あり 

とても けだかく うつりました。



そして かれの つまびき かなでる メロディは

そこに あつまる ひとびとを ちがう せかい へ と

つれて いくような かんかくに させました。



ときに あまく。

ときに せつなく。

ときに はげしく。

ときに かなしく。

ときに やさしく。



カエルは くうかん が ゆがみ けしき が かすむ ような

かんかく に つつまれ ました。



トウフィの すがた だけ が はっきり と うかび。。。



ステージ を かこむ かんきゃく の シルエット も

こうえん の しゅうい の はしら や きぎ も・・

ゆらめいて はんとうめい に すけて いくのを かんじ ました。



「わたし の め が おかしい の かしら・・」



なんどか め を こすり しゅうい を たしかめて みても

ますます みえかた が あいまい に なります。




☆ ★ ☆




ステージで えんそうを つづける トウフィ。



いとおしい カエルを まねいた 

きょうの えんそうかい は

いつもと ちがう とくべつな ものに しようと

はじめから こころに きめて いました。



かんきゃくが よろこぶ えんそう や きょくもく では なくて。



ふだん カエルと いっしょに いるとき に かなでる ように・・・



こころの おもむく ままに。



うちゅうに おくる トウフィ の おもい を こめた


がくふ には しるされる ことの ない 

メロディを つまびき ました。



はてしなく つづく とおい そら に

どうか とどけ・・ と ねがい ながら。







トウフィは こえを きいた ような きが しました。


それは ちょくせつ かれの あたまの なかに 

こえを ともなって ひびき わたる よう でした。



~~ しゅくふく を おくります。

   たいせつな わたし の ぶんしん に・・

   あなた の おもい は わたしに とどいて います。





トウフィは おもわず よぞら を みあげました。


えんそうかい の さいちゅう だと わすれて しまい ました。



かれの ひとみ には あたたかい なみだが とめどなく うかび

くすぐったく ほほを つたい ながれ おちました。



かれは じぶんの ひょうじょうが スクリーンに 

うつしだされて いるのも わすれて いました。




とても とても しあわせ でした。


はじめて がくしに なって よかった と 


かんじた しゅんかん でした。




こころの なかで つぶやき ました。



~ カエル・・ きょう の えんそう を 

  きみに きいて もらえた ことを

  ぼくは なによりも ほこり に おもう。。。







カエルは なぜか そらが ひくく なったように かんじました。


てを のばせば きらめく ほしぼしが

かきあつめられる ほどに ちかく かんじました。





ふと ・・こえを きいた きが しました。


おとを ともなって あたまの なかに 

ちょうせつ とどく よう でした。




~~ わたしは しゅくふく します。

   あなたの ゆうきある けいけんの すべては 

   わたしへの しゅくふく なのです。


   あいして ください。 あなたを とりまく すべてを。





かがくしゃ で ある カエルに とって 

りかいを どうすれば よいのか わからない かんかく でした。



スクリーンに うつる  トウフィが 

ひとめも はばからずに  なみだを ながして 

ほほえみながら えんそうを つづけて いました。



・・・ トウフィ も 

    もしかしたら 【こえ】を きいたの かしら・・・




かれの なみだが ライトに きらめき

とても うつくしい と おもいました。



むねが しめつけられる ほどに 

くるおしく かんじて いました。




トウフィと めぐりあった こと への かんしゃ・・・


じぶんが ここに いる ことの きせき への かんしゃ・・・




かがくしゃで ありながら 【きせき】という

ふたしか な ことば を 

たいせつ に おもわず には いられません でした。






**つづく**



☆クリックでの応援 & いつも お読みいただきまして ありがとうございますっ☆

 楽しんでいただけましたら ↓こちらもぜひ「ONEクリック☆」をお願いします♪

◆オンライン小説ランキング参加作品◆

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
リンク
にほんブログ村 小説ブログ ハイファンタジーへ
にほんブログ村" target="_blank">管理画面
フリーエリア
クリックで救える命がある。
最新コメント
プロフィール
HN:
cael
性別:
非公開
バーコード
RSS
http://ping.blogmura.com/xmlrpc/30c7bprlrvco
ブログ内検索
リンク
にほんブログ村 小説ブログ ハイファンタジーへ
にほんブログ村" target="_blank">管理画面
フリーエリア
Links for Good-->
フリーエリア
フリーエリア

Copyright © どこまでも深く碧い宇宙 All Rights Reserved.
Material & Template by Inori
忍者ブログ [PR]