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童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
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にげつづける エルドに とって

それは くのう した すえの けつだん でした。







けんきゅうじょ から とうぼうし 

すでに はんとしを すぎようと していました。



せいちょうした ドレイコに とって せいめいいじの かなめの

たいきから とりいれる エネルギー が 

じょうずに きゅうしゅう できなくなって・・



エルドは すっかり やせて にげた ころより

ふたまわり ちかくも からだが ちいさく なっていました。



やまあいの どうくつに みをよせながら


ときおり だいすきな カエルの すがたを もとめ

にくたいを ひぶっしつか させて 

ムラの じょうくうを とんでいました。




カエルと こんやくしゃの トウフィが 

おがわぞいに いえを たてたのも みていました。



(カエルは あの オトコの ニンゲンと くらすのだ・・)



それは エルドにも りかい できました。


それほどに カエルに とって 

あの ニンゲンが だいじなのかと

ふまんに おもう はんめん・・・



それも しかたが ないのだ と いう きもちも

わきはじめて いました。



エルドなりに トウフィと いう ニンゲンを

かんさつ しつづける なかで・・・



(カエルを とても たいせつに している)


それが だんだん わかって きたから・・・ 








カエルと トウフィの けっこんしき が

ムラで ささやかに おこなわれました。



ムラの ひとびとが てりょうりを もちより

ふたりの かどでを いわう パーティーを ひらいて くれました。



ムラの ひとびとの まえで 

ふたりは しょうがいに わたる あいを ちかいました。



いみんの うけいれの おおい このほしでも

まだまだ すくない いせいじん どうしの けっこん でした。




「わたしたちの けっこんが ふたつの ほしの 

 ひとびとに とっての こうりゅうが ふかまる きっかけに なれば

 それも また うれしい かぎりです・・」



ひきずる ほどに すその ながい ドレスを 

カエルは てで つまみながら トウフィと うでをくんで

ムラの ひとびとの えがおに かこまれて しあわせ でした。



カエルの りょうしんも むすめが まさか 

いじゅうさきの ほしの ニンゲンと けっこんを するとは

そうぞうも して いません でした。








ふたりの しんたいてきな 

きほんこうぞうも いでんしのはいれつも

それほど ことなる ものでは ないことは

いじゅうしゃの せいたいデータ から 

すでに わかって いること でした。




ぜんれいが すくない とは いえども

かこに カエルたちの しゅぞくと 

トウフィたちの しゅぞくとの あいだでの けっこんは 

それまでにも あり、

こんけつじ が たんじょうしている じじつも ありました。



ですので ふたりにとっては

それほどの ふあんは なかったのです。








ムラの しゅうかい しせつの なかで 

しきを とりおこなった のち。



はなを しきつめた みちが ふたりを むかえました。

むらびとが そうでで よういした おくりものです。



トウフィは その てづくりの あたたかさに かんどうし

おもわず うれしさで なみだが こみあげて きました。



「・・ こんなに しゅくふくして もらえるなんて・・

 しあわせ すぎて こわい くらいだ・・」




ムラの こどもたちが はなでつくった かんむりを 

カエルと トウフィに かけよって さしだします。



「なんて きれい・・! どうもありがとう・・」



ふたりは しゃがんで こどもたちから

かんむりを かむらせて もらいました。










いちじんの かぜが まいおこり・・・


さんれつしゃの いふくの すそを おおきく なびかせました。



きょうれつな かぜに ひとびとは 


テーブルの うえの


かざりつけや ならんだ ごちそうが


とばないようにと あちこちで おさえていました。





きりさくような ひめいが おこりました。




なにもなかった くさはらに

いえよりも おおきな ぎんいろの かげが うかびあがりました。

くうかんから いきなり あらわれました。



たかく かざした ふたつの つばさを 

ゆっくりと たたむと いきものは 

そのばしょ に すわりこみ ながいくびを じめんに おろしました。




ひとびとは みたこともない きょだいな せいぶつが

とつぜん すがたを あらわれた ことに 

きょうふを おぼえました。



「エルド!!!」


カエルは おもわず かけよりました。



きょうふに ひめいを あげる ひとびとに

カエルは おおきな こえで けんめいに かたり かけました。




「みなさん、 だいじょうぶ・・ さわがないで。

 このこは とても おとなしいの!!!


 ニンゲンに きがいを くわえません!!!

 こわがらないで ください!! おねがいです!!!

 わたしの けんきゅうじょで しいく している 

 たいせつな せいめいたい なんです」





カエルは めを うたがいました。



あれほど うつくしかった からだから つやが なくなって いました。


なによりも ちいさく やせている ことに

むねが いたみました。




エルドは みどりいろの ひとみで 

じっと カエルを みつめて ちいさく はなを ならして います。




「こんなに やせて・・

 どこに いままで いたの・・ しんぱいしたんだから!!!・・

 ほんとうに・・ ぶじで よかった・・」




エルドは きょうが 

カエルに とって とても とくべつなひ なのだと 

かんじとって いました。




(きょうを のがすと もう・・ 

 カエルに まえに でる きかいを なくす)




エルドは わかっていました。


(どんなに のぞんでも カエルにとって

 じぶんは トウフィという そんざいの つぎ なのだ)







トウフィは エルドを まじかで みるのは これが にどめ でした。


けんきゅじょで みたときは おくないの しいくしつ でした。


いまよりも ずっと ちいさくて

からだは つややかな ぎんいろに かがやいて いたのを 

・・・おぼえています。。




そして その 【ドレイコ】に てきいを しめされたことも。。




エルドは はいつくばった じょうたいで

すこしずつ カエルに にじりよりました。



「そうよ おいで・・ エルド。 もう にげなくて いいの。

 かえってきても だいじょうぶ。 

 だれも もう おまえを おりに いれたりしないから。」




むらびとたちは あまりに おおきな いきものに

あっとうされ おもわず あとずさります。



トウフィも にげたい きもちで みを かたくして いました。




そのようすを エルドは しばらく ながめて いましたが

くびを のばして トウフィの まえに はなさきを つきだすと

おおきな みどりいろの ひとみを しずかに とじました。





カエルには それが 

ドレイコの ふくじゅうの しぐさで あることは

じゅうぶん すぎるほど わかって いました。



「おねがい。・・トウフィ・・

 なでて あげて・・!

 エルドは あなたに しんらいを しめして いるの・・!

 おねがい!!! なでてあげて・・」




トウフィは こわいと かんじながらも・・・


カエルが あまりに ひっしに ねがうので

おそるおそる ぎんいろの やまのような いきものに

ちかよりました。



そっと てを のばして その はなさきに ふれました。


あたたかい いきが はなから ふきだされるのを かんじました。




・・・ いきている! ・・



そんな あたりまえの ことに 

しょうげきを おぼえるほどに

その からだは あまりに ぎんいろで

まるで つくりもの のようにすら みえるのでした。




エルドは トウフィの においを おぼえました。



カエルの においに すこし にていると おもいました。 



(カエルが みとめる なら 

 ぼくも この オトコの にんげんを みとめる)



エルドの せいいっぱいの きもちでした。




トウフィを うけいれた ことで エルドは

ちいさな へんかに すぐ きがつきました。




すいこんだ くうきに あじが しました。


おなかが みたされて いくのを かんじました。


ようやく エルドの こころに やすらぎが もどり はじめたのでした。









カエルは きめました。


もう エルドを けんきゅうじょには もどさないことを。


ムラで エルドを そだてる。


じぶんの もとで かんりを する・・


エルドにとって きっと いちばん しあわせな ことのはず・・




けっこんの ひに あらわれた エルド・・・


それにも きっと わけが あるのだろうと おもえてなりませんでした。




エルドは しばらくすると 

やまの ほうへと はばたいて すがたを けしました。




もう、エルドは にげない・・


カエルには ふしぎな かくしんが ありました。






**つづく**



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