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童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
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じゅんちょうに カエルの なかに めばえた 

あたらしい いのちが そだち すうかげつ のち。



こどもが ぶじに うまれました。



ふたご でした。



いっぺんに ふたりの こどもの おやに なった

わかい ふたりは なにも かもが てさぐりで

ひっしで そだてました。




ふたご だと いうのに 

いっぽう は トウフィに よくにた おんなのこ。

いっぽうは カエルに よくにた おとこのこ。




カエルに にた おとこのこ の せなかには 

ひぶっしつの つばさ も はえていました。




「こういう ところまで こどもって にるんだね・・」



ちいさな ベッドに ならんで ねている ようすを

ながめながら トウフィは かんがいぶかい ようすで いうのでした。




「おんなのこ が あなたに にていて よかった。

 きっと びじんに せいちょう するから・・」



カエルは トウフィの うつくしさを うつしとったような

おんなのこ が うまれたことを こころから うれしく おもいました。




「おとこのこ だって きれいだよ・・
 
 きみの ように ぎんいろの かみ・・ みどりの ひとみ。

 ミステリアスで みりょくてきな せいねんに なる。。。きっと。」



ふたりは すやすや ねむる ふたごを みつめて

しあわせな じかんを すごすのでした。













やまあいに すみはじめた ドレイコの エルド。


エルドは カエルの いえに しょうじた へんかに

すぐに きがつきました。


カエルが  しばらく そとに でてこなくなり・・



でてきたときには ちいさな ニンゲンを ふたりも つれて いました。



ムラで カエルが こどもたちを ことばを かわす ようすも

なんども みてきましたが・・・


この ちいさな ニンゲンに むける カエルの かんじょうは

まったく それとは ことなり ました。




それは けんきゅうじょで うまれそだった とうじの

エルドに そそがれて いた かんじょうと よく にていると

かんじられました。



トウフィに むけられる かんじょうとも また ことなる・・・


とても ふかい あいじょうが こめられて いるのです。



エルドの こころは いらだちを おさえきれなく なって いました。





つぎ から つぎ と・・・






じぶんから カエルを とおざける そんざいが 


あらわれることに どう むきあえば いいのか・・





まだ おさない エルドに 


それを りかいする ことは むずかしいのです。











このムラに やってくるとき エルドは にくたいを


ひぶっしつか させる ことを しないことが おおくなりました。



エルドの きょだいな すがたも ムラの ひとびとには 


すでに あたりまえの ものとして うけいれられて いました。





ちいさな こどもは エルドが そらを まうのを みては


「エルドに のって とんで みたい」と おいかけました。



おとなたちは エルドの きらめく ぎんいろの すがたを みかけると 


そのひは いいことが あるように おもえると くちぐちに いいました。



あおい そらに かぜを まいおこしながら かっくする 


ぎんいろの しなやかな すがたに こころを うばわれました。






しかし エルドの ほうは ちがいました。






すがたを ひぶっしつか しないのは

カエルの きもちを こちらに むけたいと ねがう いっしん。


そらを まうのも カエルに きれいだと いって ほしい いっしん。



カエルだけが エルドに とっての すべて なのでした。













それは あまりにも とつぜんでした。







ある きゅうじつの ひるさがり。



トウフィと カエルは じたくの にわさきで 


おさない ふたごを あそばせながら おちゃの じかんを

たのしんで いました。



トウフィは げんがっきを かなでながら こどもたちに

うたを きかせて いました。


ふたごは その ねいろ と うたごえに 

ふしぎそうな ようすで ききいって います。



そのうち あきはじめると ふたごは おいかけっこを はじめました。



ときどき ころんだり  じゃれあいながら ふたりは


わらい ころげて あそんでいます。







いっしゅん の ことでした。






ふたごの うえに とつぜん おおきな かげが おおいかぶさり・・


エルドが すがたを あらわしました。


おともなく まいおり ました。







カエルが ふりむいた そのとき めに したのは。



エルドは こどもたちを すばやく くちに くわえると


かるく うえを むき のみこんで しまう ようすでした。





トウフィが おおきな ひめいを あげました。




カエルには なにが おこったのか いっしゅん りかい が できませんでした。






ふたりの あいだに うまれた ふたごは。



エルドに まるのみ に されて しまいました。





エルドは つばさを たたむと

いごこち わるそうに  そのばに じっと しています。




「・・・なんて ことを・・・」






カエルは せいちょうした ドレイコが ものを くちに するのを

いままで みたことが ありません。



せいちょうした ドレイコの エネルギーは 

こきゅうから えられる もので すべて まかなわれているから・・





エルドは おなかが すいていたわけでは ありません。






カエルは・・ にげない エルドを みつめながら あゆみより ました。




トウフィが まっさおに なって ふるえながら なみだを ながして います。


「あのこたちが いったい なにを した?

 ・・なんで・・」




カエルは ふるえながらも ゆっくりと 

エルドの ほうへを むかって あるきました。



「エルド・・ おまえ・・ どうして!?」



カエルが ちかづくに つれて エルドは あとずさりを しました。




(・・ぼくは なにも わるく ない・・)




エルドは みどりいろの ひとみを しばたかせ ながら


じりじりと あとずさります。




「そんなに ・・?

 あのこ たちが じゃま だったの・・ おまえ・・」





(ぼくは・・ わるく・・ないよ・・)



エルドの おびえる すがたに すべてが りかい できました。





「・・・ さみしかったの・・ そうなの?

 わたしの せいなのね・・ 


 いいのよ。 エルド・・ わたしの ことも たべてしまいなさい。」






エルドは おおきな つばさを めいいっぱい ひろげると


いっきに そらへ まいあがり やまのほうへ とびさりました。




あっと いうまの できごとでした。



しあわせな かぞくの じょうけいが 

ひげきへと ぬりかえられた しゅんかん でした。






トウフィの ひつうな さけびごえに おどろいたのか


むかいの いえから かれの りょうしんが なにごとかと


とびだして きました。





カエルは エルドが とびさった そらを みあげながら


きゅうに からだの ちからが ぬけて 


そのばに くずれるように すわり こみました。





カエルは じぶんの たいせつな こどもを うしなったことも


たいせつな エルドが このさき どういう ことに なるのかと・・


ふあんと かなしみが おおきな なみのように おしよせてきて。




こころと しこうが はたらかなく なりました。




なきくずれる トウフィの ようすを

ひょうじょうも つくれずに ただ ぼんやりと ながめていました。






**つづく**



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