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童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
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明日はマンションの配管清掃日だ。

ひと月前から管理会社の案内で
屋内入室を要望されている。


「・・・・・・・・・めんどくさいぃ・・・・・・・・」

見ず知らずの他人に
自分の最も安らぐテリトリーである自宅に
侵入されるのが、まず嫌。とにかく嫌だ。

自分でも わかっているが「整頓が苦手」だ。
それでもゴミもきちんと捨てるし、
適当ながらも 最低限の掃除はする。
でも「片付けものが とにかく苦手」なのだ。


法定の非常用設備点検は年2回あるから
年1回くらいは逃れても なんとかなるが
配管清掃は2年に1度。
これを怠って 万が一、
詰まりによる水漏れでも引き起こしたら
被害を及ぼした他の住宅への弁償・復旧費用とは別に
管理会社に賠償請求をされかねない。

なので。こればっかりは・・・逃れられないのだ。
集合住宅を選んだ自分の義務。



業者入室にあたり 部屋を「とりあえず、なんとかしたい」。


わかっている。
けれど、面倒くさい。疲れる。

しかも、真冬のこの時期は とにかく気持ちが沈む。動けない。

清掃日は明日だと、承知の上での、ささやかな抵抗をしている。


ベッドの中、悶々と部屋の片付けについて考えながら
寝返りを ただただ 繰り返していた。



「・・・・・出来る範囲でやればいいだろう。それでいい。」

声がする。

人あらざるもの・・・・気配。 何か・・・来た。



「それならできるだろう。手伝ってやるから。起きなさい。」

声の主は、呆れ顔をしつつも 笑っている。


金色の翼を背負った 黒髪短髪の端正な顔立ちの男が「見える」。
ロイヤルブルーの瞳は 一応笑っているが、
口元に苛立ちの色が浮かぶ。

「彼が何者なのか」を本能が理解した。

初対面でいて、そうでもないような・・・懐かしい友人であり・・・


そして、私がこのままで済まされない、ということも即時に理解した。



・・・・・これ、流石に・・・・ ちょっと、ヤバイかも。

うすら笑いを浮かべて、男の様子を布団の中から伺ってみるが

「・・・ったく!!! いい加減に さっさと起きろ!」

怒声を浴びせられて 叩き起こされた。







それは 的確な指示だった。






「まずは、台所だ。そんなに汚れていないのだから。」

気になった汚れに私が執着して擦り始めると、すぐさま叱られる。

「だ・か・ら!
 そういうところは 大して問題じゃないだろう!
 気になっていたなら 暇なときにやっておけ!
 汚れ落ちを楽しんでる暇は、今は無い!!!!!」


セスキ入り電解水の威力に感動する私を叱責する。


「だが・・・
 まあ、そういうことを面白く思えるようになってくれれば・・・」

うんうんと、頷き 男は少しだけ口調を柔らかくしてくれた。


たっぷり二時間近く、つきっきりで台所の片付けを指示された。


「よし。それでとりあえずいい。
 あまり欲張ると あとで疲れる。
 つぎはテーブルの上を、・・・・整理しようか。
 適当なところで これも見切りをつけよう。」


翼の男は本が煩雑に積載して地層を作るテーブルを前に
うなだれて 大きくため息をつきながらも 
ひきつづき 指示をしてくる。

「そこそこ、で。終わりでいいぞ。
 清掃員に見栄を張っても、仕方がないだろ。
 彼らにこの部屋の煩雑さを いちいち気にする暇もない。
 清掃員の作業に対して 不快さを与えない程度の
 迎える準備ができれば、・・・それでいいのさ。
 ・・・・・と。今は、割り切れ!」


拭き掃除と本の整頓を同時進行で地道に
テーブル天板がだんだん広くなる。


そうそうと、頷きつつ、翼の男は風呂場を気にしているようだ。


「これからおまえは 一年かけて、部屋を片付けていけ。
 今日はその初日だな。」



いい加減、汗をかき疲れてきたし、お腹もすいた。

「ああ、休憩かい?・・・いいんじゃないか。
 あとで、洗面台下の開き戸の中を整理だ。」


レトルトのカレーを湯煎し、冷凍していた飯をレンジで温める。

簡単な昼食。ほうれん草のカレーは好物だ。

横目でDVDの山を眺め、カレーを口に含む。
ものが捨てられない自分の有り様に、うんざりする。


男は私のカレーをちょっとだけ物欲しそうな表情で見下ろす。
まだ、帰る気はないらしい。

「部屋の煩雑さは、君の疲れ そのものの反映だな。
 ゆっくり片付けていくといい。
 手伝ってやるから。
 体調も良くなるぞ。」


私の呼称が「おまえ」から「君」になっている。

「昔っから、そういうところは変らないのだな。
 何万回生まれ変わろうが、残念な癖は残るのだなぁ・・・
 呆れるよ。ホントに・・・」



皿をキッチンで洗い、お茶を淹れ一休み。


洗面台の下・・・ 魔窟だな・・・

考えて私は憂鬱になる。



覚悟を決めて腰を上げ、手始めにDVDの山を整えた。
片付いた、とは言えないまでも整頓している体裁になった。


問題の洗面台の下に取り掛かる。
すぐに思わぬ発掘物があった。

「ほう!・・・無駄な買い物をしなくて済んだじゃないか。」

男は窮屈そうに前屈して、私の取り出したものを指す。

重曹5キロ相当の未開封品。これはありがたい。
どうして、忘れていたんだろう・・・


「君はリスみたいな習性してるんだから。
 ときどき、こうして覗くべきだ。」

にやにやしながら私の背を軽く叩く。
してやったり、の したり顔に少しだけ腹立たしくなる。


「中が見通せる程度でいい。無理するなよ。
 片付けるのではなく、ものを整える。それでいい。」


綺麗とは言えないまでも・・・そこそこ片付いた。
一人じゃ、正直・・・ 出来なかったと、思う。


私のそんなささやかな感謝のキモチに
翼のオトコは満足そうだ。

そして親指で洗面台の向かいの浴室を指差す。

「後で湯船に浸かって疲れを取るといい。
 ついでに排水口をきれいにしておけば、とりあえず今日は終了だ。
 頑張った。お疲れさん。」


満足そうに微笑むと、男は追加の支持をしてきた。

「ああ。・・・明日の朝、台所の排水口を洗い、
 床に掃除機をかけて、それでヨシ。
 それでは。
 また・・・・片付けに付き合っても良いぞ。」


はいはい。
私は肩をすくめて、翼を広げて背を向けた男に小さく手を振る。

「いつでも歓迎する♪ 『ウリちゃん』。
 君が掃除と片付けが得意、とは全く知らなかったけど・・・
 ホントに助かった。ありがとね!」

振り向いたロイヤルブルーの瞳を満足げに細めて微笑み、
肩こりをほぐす様な仕草。

「・・・しかし。昔っから、変わらん。君って奴は。」


男はそう言うと 姿を消し。

わずかばかり 爽やかな香りが残った。




  (終)





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ご無沙汰してしまっておりました。

どこまでも深く蒼い宇宙。

続きの更新が長らく滞っております。


童話形式でまとめるカタチで第一章は完結できて
自分では 満足していましたが、
第二章に入ってからの、情報が「自分の中に降りてきません」。現時点で。。。

別形式のモノガタリで ここに掲載してきた内容をベースに
メモ書きでまとめてみたら なかなか面白いかも!?
・・・という 発見もありました。

そちらが 公開に値するところまで
持っていけていないのが 
今 もどかしいところであります。


私が目指しているのは
見えない世界のリアルを表現すること、 です。

宇宙のなかで 物質化している4%の 私たちの認識できている世界。
残り96%の非物質の世界の リアルとは どういう感覚なのか?
豊かなものに違いありません。

自らこのブログを 削除しない限り
私は「記録する楽しみ」を 手放しません!

更新がどんなに遅くても 
私の感じ取っている
見えない世界の豊かさを 表現していきます。


また、いずれ。 「お時間をください」       


cael
こちらは 本編とは異なる【読み切りの短編】となります。








■ ■ ■ 滝山 ■ ■ ■



その日は いつもと違う道を 歩いてみたくなった。


重たい買い物袋を手に提げて、手入れの行き届いた路地裏に歩を進めてみる。

右手には小さな寺、左手には庭木が美しく花を咲かせる家々。

卒塔婆や墓石が 低い白壁から 頭を覗かせている。

なぜだろう。 薄気味の悪い感じは しない。



しばらく直進し、やがて突き当たり右に曲がると、寺の門が現れる。

門の脇にそびえる 山桃の雌雄の大木に

「寄っていきなよ・・・」と 囁かれている気がして

誘われるまま、入ってしまう。


地元七福神巡りの札所に なっている寺だと ふと思い出した。

福禄寿に軽い会釈をして、正面の本堂脇から 墓地へと進む。


「お参り順」の立て看板が立っていて、妙な寺だ。


描かれた矢印に沿って、墓の間を進んでいく。

西に傾きはじめた 初夏の太陽の 黄金の日差し。


蒸し暑い。

つい最近 供えられたらしい仏花も 

うんざり顔で うなだれている。



矢印看板は 右へ左へと 墓地の奥へ と 誘う。


一際 おおきな区画に 古めかしい墓が 三つ鎮座している。

ここが、案内先の 最終地点のようだ。


【心静かにお参りください】と看板。


目礼をして 手を合わせる。

腕に下げた買い物袋が 食い込んで すこし痛みを覚える





涼しい風が 頬をかすめて行った。


『よく参ったな』三つの墓石の正面がそう言っている気がする。

『久しいのう、お前が来てくれるのを 楽しみにしていたのだぞ』


自分の心が 墓石の主の語りかけに 穏やかに 答える。


(はい、お久しぶりでございます。)


勝手に返事をしている。そんな感覚・・・



『姫様は息災か、のう…。今も お側におるのだろう、お前。』

墓の主は誰かを気にかけている様子。




・・・姫様・・・ ああ! 【あの人のこと】、か?・・・


(はい。・・・お疲れの毎日なれど。

 ご心労は相変わらずで ございます。)



『なんの因果か、

 【殿方を選んで生まれる】のも あのお方らしい が・・・

 お前、しっかりと お支えしておるか?』



私の口元に 思わず苦笑いがこぼれる。

状況はすべてお見通し、だろうに。。。



墓石の上に浮かぶ 橙色の空雲の合間から

特大柑橘のような夕日が 目に刺さる。



『しかし、お前が 姫と一緒に生きることを 選んでくれたことは

 私にとっても まこと、ありがたいこと。』


墓の主が 感謝の念を 送ってくれている。




(なにをおっしゃいます。もったいのうございます)


・・・いつの時代の話、だよ・・・


心の中の やりとりの自然な流れとは 異なって

思考は 相変わらず 疑問符を 掲げている。



『幼い姫様が 入城なさった日・・・ 遠い昔のことだの。

 おまえも 初々しかったな・・・』



墓の主は クスクス笑っている。

『【そちらの世の飯】は さぞ旨いと見えるな、のう?』


病気を数年前にして以来、ダイエットも運動もろくに成果が出ず

過去最も重い身体を抱えてしまっている。



(恐れ入ります・・・)つられて つい、苦笑い。



『・・・わかっておる。

 お前も 苦労しているのは 十分に、わかっておる。』



墓の主は 優しく 温かい。


『身体を愛しめよ。よいな。・・・【かなで】』



はっとした。

【かなで】・・・ 奏・・・?!


とても とても。 ・・・懐かしい感じ が した。

呼ばれた感覚に あまりに現実味があり 

白昼夢を 見ていたかのような・・・ 錯覚を覚える。

衣擦れの音が聞こえた・・・ 気がする。




(恐れ多いお言葉でございます)

併せた手に 額を近づけ 深く頭を垂れてしまう。


墓石を見つめると、古風な着物を 着た女性の

後ろ姿が 透けて浮かぶような 印象があった。



『のう・・・ 

 たまには私に会いに来ておくれ。気が向いた時で良い』

女性の後ろ姿が、墓石に溶け込む。



(はい、かしこまりました。ありがたいことで。)



『では、また。・・・姫様をしかとお支えしておくれ。頼むぞ。』



改めて、深く一礼をする。

空はやや紫がかってきているものの、

まだまだ まとわりつくように暑い。





名残惜しい 気持ちで、振り返ると。


墓石の脇の 説明看板に 書かれていた。





~  大奥 御年寄 滝山  ~







  (終)





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さんぼう が め を さました とき

まわり に みえる もの は 

しろい ふわふわ と した もの ばかり。



「・・・ここ は・・?!」



きょうふ と ふあん で

こえ に ならない さけび を あげて

いっしょ だった はず の オウェングス を さがし ました。




「きこえてるよ。 め が さめたんだ ね・・」



からだ を つつむ しろい もの を かき わける と

オウェングス の かお が 

のぞき こんで いる のが みえました。




「・・・ここは?」




ふあん そう に しゅうい を みまわし ながら

さんぼう は からだ を おこそう と する と

オウェングス が まだ ねていた ほうが いい と

くび を よこ に ふりました。




「だいじょうぶ。

ちゃん と となり の ほし に ついたよ。



 つかれ が とれて いない だろ? 

 ほら、よこ に なって いた ほうが いい。


 ぼく も まだ ものすごく ねむい し・・・。




 ここ には 『ぼく の だいじな ひと』 が

 【みこ】 として つとめて いる。


 【サタラン】と いうんだ。 あと で しょうかい するから。」




さんぼう は どうしても ねむけ に さからえず に

しろい ふわふわ の なか に

ねむり と いっしょ に ふかく しずんで いき ました。









つぎ に めざめた とき には

からだ も あたま も すっきり と して いて

ここち よく おき あがる こと が でき ました。



オウェングス に ぴったり と よりそって いる

いせいじん が 【サタラン】だ と しょうかい され ました。



からだ は ほそく、あおじろい はだ に 

ひきずる ほど に ながい しろい かみ、 

あおい ひとみ の その じょせい は


さんぼう の め に

「いしつ な もの」としか うつり ません。




『ごあんしん なさって ください。

 わたし の こと も どうか しんよう を

 いただき たく おねがい を いたし ます』





のうない に ちょくせつ じょせい の こえ が とどき、

じぶん の かんがえ が よまれて いること に

さんぼう は おもわず たじろぎ ました。




『ごめんなさい・・ おたがい に ことば が つうじ ない ので

 こうして 【おはなし】 する より ほか に 

 てだて が ないので・・ おゆるし ください。』




こころ の そこ から わびて いる サタラン の おもい が

つたわって くる と さんぼう は ひょうじょう を 

すこし だけ やわらげ ました。



「かのじょ が しょくじ を ようい して くれて いるよ。

 たべながら この ほし の ことを きみ に

 よびちしき として はなして おきたい んだ。」



オウェングス が さんぼう に かた を かし、

たち あがらせ ながら いい ました。











「なるほど・・ だいたい りかい した。


 おまえ が このほし に いじゅう を かんがえる のも

 なんとなく だが、 わかる き が する。」



さんぼう は はじめて くち に した

めずらしい しょくじ に すっかり まんぷく に なり ながら

あらためて サタラン を みつめ ました。



「あなた が じぜん に ねまわし を して くださる

 こと に かんしゃ を します。


 ・・・しかし、わたし は じぶんじしん で たしかめた けっか で

 なければ さいしゅうてき に しんらい は よせられ ない。」




サタラン は おっしゃる とおり と うなづき ました。




『この ほし では エリアごとの 【とうちしゃ】が 

 それぞれ の コミュニティ の いけん を くみあげて、

 ぎかい で しんぎ されて、 けってい なされます。



 わたしたち 【しんかん】 と 【みこ】 は

 その けっていないよう の せいさ を おこなう

 さいしゅう はんだん の せきむ を にないます。



 かみ で ある 【てん】の みこころ に 

 かなう もの で あれば 

 コミュニティに ひろめて よし、と します。



 そうで なければ ぎかい の けっていないよう で あっても 

 はくし に する けんり が あたえられて おります。』




さんぼう は てで サタラン の ことば を さえぎりました。



「まってくれ・・ かみ で ある【てん】?とは?? 

 なん の こと です? 

 【しんこう】のこと ですか? このほし での・・?」




サタラン は やわらかく ほほえんで 

いのるよう に りょうて を むね の まえ で 

こうさ させて ゆっくり と おき ました。




『【てん】 とは 【うちゅう】です。

 うちゅう の いしき。



 この あまねく ほしぼし と そこに ある すべて を

 いつくしむ いしき が わたしたち の 【かみ】 なのです。


 わたしたち は 

 かみ として の 【てん】の こども に すぎま せん。


 こども である わたくしたち が 

 おや から の おしえ を もとめて

 まなぶ のは あたりまえ の こと です。


 より よい あす を えらぶ ため。


 せかい の しんり です。』




「ぼくら の みえない もの を

 この ほし の ひとびと は 【みつめて いる】んだよ。


 それ が ゆたかさ の ひとつ の よういん なのだろう と

 ・・そう、 ぼく は りかい して いる んだ・・・



 しょうじき な ところ、

 ぼく にも よく わからない けれど ね。」





オウェングス は かた を すくめて 

それでも サラタンの かたる もの に しんじつ を

かんじる と いい ました。




「ぼくら と この ほし の とうちしゃたち との めんだん を

 サタランたち【しんしょく】 が とりもって くれる。


 【しんかん】も 【みこ】も ぼくたち に こういてき だから

 もんだいなく うけいれ の たいせい は ととのう と おもう。




 あと は ぼくら の もんだい だろう。


 このほし の おおくの ひとびと は

 ぼくら が あかい ほし に くらして いる こと を

 なんびゃくねん も まえ から しって いる。


 それに くらべて、 ぼくら は なに も しらな かった・・・。


 せいしんてき にも せいじゅく して いる んだよ。

 この あおい ほし の ひとびと は。」




こども のように ひとみ を かがやかせている オウェングス を 

となりで うれしそう に みつめる サタランの ようす に 

ほほえましく おもい ながら も。





さんぼう は どこか ふあん なの でした。



・・・ 「こい は もうもく」、ってやつ だ ・・・



いま の オウェングス は れいせい じゃない。






さんぼう は あらためて 

【じぶん が しっかり と みきわめ なければ】 と おもい ました。













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いつも ご来訪&ご愛読、ありがとうございます!

第二部に突入後、相変わらずの ゆっくり更新にお付き合いいただき

重ねて感謝を申し上げます。






あんまり 描いちゃうと イメージが固まってしまうので

避けてきたのですが・・・


登場人物の姿を ざっとの ラフでご紹介・・・

下書きなしの、小一時間での ボールペン画で ございます・・

精度は問わないでくださいませ~ (ノ∀`);




★第二部、主人公の【Áengus】「オウェングス」。

▼クリックで拡大します☆彡




彼の住まうのは

次元の入り組んだ場所に位置する 赤い惑星。

乾燥したその土地は 突如、ことなる次元へと飲み込まれることも多く

惑星そのものが 拡大・収縮を 繰り返す 非常に 過酷な環境。


そこの住人たちは 生き延びるために

特殊な能力を持っていました。

この地球で知られる「テレポーター」であり「サイコキネシス」が使えます。

肉体自体を 半物質状態にすることも可能。

食べ物はこの星で家畜化されている哺乳類に近い生物の肉のみ。

肉食ゆえに、犬歯にあたる歯が発達しています。


平衡感覚と聴覚に優れていて、耳が大きく 有尾の、生命体。。。


髪も瞳も 真紅です。

環境によるもの、なのでしょうか。。。










ゆっくり×2・・ながら、物語の続きも ダウンロード出来次第

綴ってまいります。


今後も是非に、お付き合いのほど、「お願い申し上げます」♪





     ★ ★ ★








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「まつり の ひ」 の あさ は しずか に あけました。



まだ うすぐらい ムラ の はずれ で

オウェングス は さんぼう を まちました。



まつり の ため の めいいっぱい の おしゃれ を した

さんぼう が その すがた とは うらはら に

はれない ひょうじょう で やって くる のが みえました。



「おはよう。 ・・・さむい な。 けさ は・・・」


「おはよう。 きょう は ほんとう に ありがとう。」



つま に あうこと を こころまち に 

していた さんぼう の きもち を さっする に あまって

オウェングス は もうしわけない と あたま を さげました。


~ じぶん は これから 【さいあい の ひと】 に

  あい に いくのだ と いう のに・・・

  



「おくさん には・・? なにか れんらく を した の かい?」


「ああ、せんじつ てがみ を だした よ。

 ・・・【まつり】の ひ に いえ に かえれなくても 

 けっして うわき って わけ じゃあ ないっ・・てな。」



そういって くすり と わらい ながら

くろい いし で つくられた 

うつくしい さいく の ほどこされた ペンダント を

いとおしそう に にぎり しめて さんぼう は いい ました。



「おれ の かみさん が つくって くれたんだ。

 あいつ は かざりもの を つくる ムラ に いる。

 ・・・ほら、すばらしい だろ?! これ・・・


 ムラ で いちばん の 

 うできき の しょくにん、 なんだから・・・」



さんぼう は ペンダント に やさしく くちづける と

そら に うかぶ おおきな わくせい を みあげ ました。



「じゃあ、・・いくか。 あおい ほし に!」


「こころ から きみ に かんしゃ する。」


オェングス は もういちど れい を のべると、

さんぼう の かた に て を おきました。



いっき に あおい わくせい を めざして

じくうかん を 【ジャンプ】 しました。




      ★




サタラン は まちはずれ の あれち へと

まいちに の ように オウェングス の すがた を

さがし に おとずれる こと を にっか として いました。



その あさ も れいはい を おえる と 

じゅうしゃ を すうめい したがえて あれち に やって きました。




「みこさま・・・ あそこ に ひとかげ が・・・?」


じゅうしゃ の ひとり が とおく を ゆびさし ました。




その ほうこう に め を こらすと

かすか に しろい ひとかげ が みえます。

あたま の あたり が あかい いろ なのも わかり ました。




「・・・オウェングス!・・・」



むね が よろこび に たかなり ます。




サタラン は ながい ふく の すそ を つまみ あげて

いちもくさん に はしり だし ました。




「・・み、みこさまぁ・・! 

  そんな に はしる と ころびますよっ!!」




いき を きらして かけつけた サタラン は

ゆめ に まで みた いとおしい ひと の すがた に

なみだ が うかぶ の でした。



~ オウェングス!!! きて くれましたね!



ぐったり と じめん に ねころぶ しろい ふく の おとこ。

もえるような あかい かみ が しろい かお を ふちどります。



サタラン は オウェングス の じょうはんしん を だきあげ

なんども ほおずり を しました。 



~ オウェングス? だいじょうぶ? きこえますか?


サタラン は しねん で かたり かけました。


かすかに ひらいた まぶた の すきま から

くれないいろ に かがやく ほし の ような ひとみ が きらめきます。



「サタラン、あいたかった。 ただいま・・・

 ゆうじん を つれてきたよ・・ かれ の こと も たのむ。」 



オウェングス は サタラン の ぬくもり に 

こころ の そこ から あんしん しました。



・・・ほら、 ひにち を えらべば、 ジャンプ できる・・・




サタラン は おいかけて きた じゅうしゃ たち に

しじ を しました。



「はやく! かれら を しんでん の しゅくしゃ へ・・・!」




じゅうしゃ たち が ふたり の いせいじん を

かつぎ あげて みこ の あと に つづき ます。 




「みこさま?・・ 【かれら】は なにもの ですか?」




サタラン は ふりむく と ほほえんで さらり と いいました。




「わたし の おっと と なる かた と

 その おかた の たいせつ な ゆうじん・・。

 ていちょう に おもてなし を して くださいね。」




じゅうしゃたち は おどろき の ひょうじょう を うかべて 

たがい に みつめ あいました。


せおった いせいじん に たいして

きんちょう を かくせない ようす で・・・。





「しゅくしゃ で ゆっくり やすませて さしあげ ましょう。

 となり の あかい ほし から 

 じりき で とんで こられて とても おつかれ なのです。」




じゅうしゃ の ひとり が おもわず たずね かえし ます。




「【じりき で とんで きた】? 【となり の ほし】から?

 そんな ことが・・ できる の ですか?

 ・・・この かたがた は・・・」




「・・・ええ。

 わたくしたち と すがたかたち は にて いて も

 まったく ことなる 【ちから】を おもち なの です。


 かれら の そんざい が わたくしたち の みらい を 

 あかるい もの に して くださる の です。」










オウェングス と さんぼう が めざめた のは

あかい ほし への とうちゃく から まる ふつか のち でした。







     ★ ★ ★








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「ふたり で じゅんび を しよう」



リーダー である オウェングス の ことば に 

したがう ぎむ が ある のだ と わかって いても

 

さんぼう は 「それ は むずかしい」 と なんど も

はんたい を つづけ ました。




「【ふたり】 では たりない。

 もう すこし にんずう が ほしい。」



さんぼう の いけん に オウェングス は くび を

よこ に ふり つづけ ました。




「だめだよ。 まだ その だんかい に ない。

 いたずら に なかま たち の あいだ に 

 うわさ と ふあん が ひろがり かねない。


 
 ある ていど の 【したじ】 が できてから

 また なかま を げんせん して けいかく を

 すすめる ほう が せっとく しやすい。



 だいいち きみ だって まだ さんせい して

 くれて は いない じゃあ ないか・・・ そうだろう?」





さんぼう は しんぱい でした。





~ いく の は いい。


・・・ほんとう に かえって こられる の だろうか。


オウェングス は たまたま「【うん】 が よかった だけ」


・・なの かも しれない。







「だいじょうぶ。 

 ほし の いち と じげん の あんてい が

 【ジャンプ】 を せいこう させる かぎ に なる のが

 まちがい ない と 

 ぼく の けいけん そのもの が しょうめい している。



 きみ の 【ジャンプ】の のうりょく は 

 ぼく に まさる の だから

 かくじつ に いける し、かえって こられる。」



さんぼう は はなれた ムラ に くらす

かぞく を おもう と むね が しめつけられる おもい でした。



「せめて 【つま】 に あってから・・・ に

 させて もらえない だろうか・・ オウェングス・・」






オウェングス は、くび を よこ に ふりました。



「すまない・・・ 【きみ の おくさん】 を 

 しんよう しない わけ では ない けれど。。。


 うわさ が ひろがり 【この けいけく】 を

 こわし かねない リスク は ぜったい に さけたい んだ。


 だいじょうぶ だってば! かならず かえって こられる。」





     ★




さんぼう は 【ちょうろう】 を たずね ました。




さんぼう の じつ の そふ に あたる ちょうろう は

まご の かお を みる の が ひさしぶり で

おおい に よろこんで むかえて くれました。



さんぼう は すこし だけ ほほえむ と 

かた を おとして ためいき を つきました。



「じいさま に ききたい こと が ある。

 なぜ オウェングス を リーダー に えらんだ?」



ちょうろう は なやんで いる のが あきらかな ようす の

まご に いれたて の おちゃ を さしだし ました。





「いまさら なに を・・ 


 もう 6ねん ちかく に なるだろう。


 オウェングス も だんだん リーダー として の

 やくわり が わかって きて いる はずだ。


 おまえ が ささえて くれて いる から こそ、

 ムラ の みな が あいつ を たてて くれる。




 オウェングス はな 【かいたくしゃ の ししつ そのもの】だ。



 みつめる さき が とおく ひろい。

 そして もんだい の ほんしつ が なにか を 

 よく わかって いる。


 なにが だいじ なのか。

 なにが しあわせ なのか。

 そのため に なに が ひつよう なのか。


 けつだん する のうりょく も たけて いる。

 みきわめる ちから にも だ。



 としわかい けれど も とても かしこい。



 あたらしい じだい の リーダー として 

 あいつ の ししつ は 

 ほか の だれ にも まさって いる。



 ただ、わかい ゆえ に まわり からの しんらい を えにくい。

 だから おまえ を 【さんぼう】に すえた。


 おまえ は あいつ を ほんとう に 

 よく ささえて くれて いる。 



 おまえ の じんぼう と けいけん、そして けんしき が 

 あいつ の すすむ さき に かならず

 あかり を ともして いく はずだろう。」





あつい おちゃ を すすり ながら

さんぼう は しわ の ふかい ちょうろう の てもと を

みつめ ました。





「あいつ は ・・ オウェングス は・・・

 【ほし への ジャンプ】 と いう 【タブー】 を おかした。


 そして こんど は おれ にも 

 その むぼう を 「いっしょに やろう」 と きょうよう する。


 いくら リーダー であっても ・・・


 ゆるされる こと とは おもわない・・・」





「・・・なんで【とんだ】のだね。 オウェングス は。」



ちょうろう は しずかに まご に たずねました。




「この ほし に あんじゅう の とち は ない・・と いう。

 となり の ほし へ いじゅう を かんがえて いる。


 だから、ためしに とべるか じっけんを した と。


 そして こんど は したじゅんび の ため に

 おれ を つれて いく つもり だ・・」




ちょうろう は その はなし を きく と

ゆかい そう に こえ を あげて わらい ました。



その あまり の わらい よう に 

さんぼう は あっけ に とられ ました。



どうじ に はら が たちました。




「おい・・ じいさま・・ なにが おかしい・・!

 このほし を あいつ は すてる、と いう の だよ?!


 せんぞ だいだい くらして きた この ほし を!!!」




「いやなぁ・・・いかにも オウェングス が かんがえ そうな

 とっぴ な こと なもの だから・・!

 おもったとおり の 【とんでもなさ】 が おかしくて つい な・・」



ちょうろう は わらい すぎて 

なみだ が うかんだ めもと を こすり ながら 

やれやれ と いいつつ、おちゃ を ひとくち のみました。




「あいつ 。。 おれ の て には とても おえない・・・

 ほんとう に いいのか? じいさま・・ このまま で・・・」




ちょうろう は ふあん と いかり を かくし きれない 

まご を

なだめる ように いいました。





「かまわない。 それ で いい。


 オウェングス らしい やりかた じゃあ ないか。


 いままで  だれも かんがえ なかった 【みらい】の かたち だ。


 わたし たち しゅぞく の みらい こそ が たいせつ。



 いじゅう で いのち と くらし が つなげる ならば

 それで いい。



 たのむ。 おまえ が オウェングス を ささえてくれ。


 【タブー】の こと は わたし が ゆるそう。



 おまえ も ぜひ いってこい。 そして おしえて おくれ。

 となり の ほし の ようす を な。」




しかし・・、と いう まご を うなづき ながら せいする と 

ちょうろう は つづけ ました。




「ほか の ムラ の さんどう を える ためなら

 いずれ わたし が うごこう。


 まず は その め で みてこい。


 いじゅう する かち の ある ほし なのか。

 その 【さんぼう】として の やくわり で。



 おまえ の のうりょく ならば

 となり の ほし へ いくの も かえること も たやすかろう。


 ・・・まだ、ほか の もの に この はなし は するな。」





     ★





・・・オウェングス に ぜんぷく の しんらい を

 よせる ちょうろう の すがた に

 さんぼう は あきらめ にも にた きぶん で いました。




とおかった あおい ほし が

ひを おうごと に ちかづいて くる そら を みあげる たびに

ふあん に あし が ふるえる の でした。







     ★ ★ ★








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ながい ねむり の のち。



オウェングス は めざめる と。


じぶん の へや に いる こと に きが つき ました。




・・・どれくらい ねむって いたの だろう・・・





「・・ きぶん は どうだい。」


さんぼう の こえ に こたえようと 

オウェングス が ベッド から おきあがる と。





「きょう まで なに を していたか、

 しょうじき に はなして ほしい」


さんぼう は いつになく きびしい ひょうじょう を うかべて いました。



テーブル に つくと スープ を だされて

「まあ、たべながら で いい から・・ ゆっくり きかせて くれ。」




オウェングス は さんぼう の つくってくれた

たべなれた あじ の スープ に くち を つけました。



「おいしい・・・ あいかわらず りょうり じょうず だね・・」










「じぶん の した こと が

 タブー と されている むぼう な こと だった のは

 もちろん わかって いる。


 へた を すれば 【かえって こられなかった】 のも

 わかって いる よ・・ 

 ぼく だって もう ガキ じゃあ、 ないし。」




オウェングス は こよみ を ゆびさして

【まつり】の ひ  の じげん の あんてい の たかさ と


ふたつ の ほし の せっきんする じき を えらべば 

【ジャンプ】 しても

となり の ほし に いくことが あんぜん に できる こと を


さんぼう に つたえ ました。




「・・・ この ほし の どこ に

 ぼくら の あんじゅう の とち を かくほ するんだ?


 ない んだよ。 どこにも・・・!


 だから、ぼく は ためしたんだ。


 そして あんぜんな ばしょで、 じゅうにん たち は

 とても おんわ で ゆうこうてき で・・・


 むしろ ぼくら を もとめて いるんだ。



 ぐうぜん ながら、 あかい ほし に ジャンプ して しまい

 そのまま くらして いる ぼくら の しゅぞく にも あえた。


 むこうで かぞく を もって しあわせ に くらして いる。



 あのほし は ぼくら の いじゅう の うけいれ を 

 まえむき に けんとう して くれる。




 つぎ の 【まつり の ひ】に

 きみ も いっしょ に いこう。 


 そして その め で たしかめて ほしい。


 あんじゅう の とち は、すぐ となり に あるんだよ。」 





オウェングス は おおきな あかい ひとみ を

かがやかせて さんぼう に あつく かたります。




「おまえ、じぶん が なに を いっている のか

 わかって はなして いるのか?」




さんぼう は うで を くみ、

てんじょう を あおぎ ふかい ためいき を つきました。




「・・・かり に そうだと しても、だ。


 いったい どれだけ の もの が 

 【この ほし を すてても かまわない】と

 よろこん で さんせい する と おもう?


 せんぞ だいだい このほし で いきて きたんだぞ。」





オウェングス は くび を ふりました。





「きみ まで そんな こと を?・・・ がっかり だな。


 かんがえて みて くれ よ。


 このまま あと なんぜんねん なんまんねん・・・

 ぼくら は こんな いきかた を するんだ?



 なんで、ぎもん に おもわない んだ?


 
 あんしんして くらせる とち を 

 となり の ほし に もとめて、 なにが いけない?


 この ふあんてい な ほし に、

 しばられ つづけ なければ ならない?



 みんな で いじゅう を しよう。


 そのため に いっしょに じゅんび を しよう。


 きみ の ちから を かして ほしいんだ。」

 

 
さんぼう は うん と いえない じぶん が

なさけなく おもいました。



・・・わかっている。

   とち かいたく の しごと を まかされた

   この ムラ で 、おれ が なんねん なやんで きた と

   おもっている・・




「おれ には つま も こども も いる。

 ひとりみ の おまえ と たちば が ちがう。


 かぞく みんな を つれて いける ほしょう が どこ に ある?」






「ぼく は ・・・【みんな で いこう】って いって いるんだ。

 そのため の じゅんび を しよう と はなして いるんだ。



 あの ほし の とうちしゃ とも こうしょう しよう。

 いどう しゅだん も 、くらす いえも そのご の せいかつ も

 なにも かも ・・・きちん と じゅんび しよう。



 できるよ。ぜったい に。」




「ふたり で なんて むりだ。

 さんどうしゃ が いなければ・・・」




オウェングス は いかり を おさえつつ。



「だから、まず・・ きみ  に みて ほしい。

 つぎの 【まつり の ひ】に、しさつ に いく。



 ・・・【リーダー】として きみ に めいれい する。


 きみ を しさつ の どうこうしゃ に にんめい する。」





「・・・なんだと!? ばか な こと を いうな。

 ・・・きゃっか する。 はなし に ならん。」




「【めいれい】する、と いって いるんだ。 

 きょひけん は きみ には ない。 したがって もらう。」




さんぼう は オウェングス の むなぐら を つかみ



「・・・ふざけるな。 

 おまえ を おとうと の ように おもえば こそ、

 こうして はなし を きき、 しんみ に いけん して いる。

 ちょうし に のるな! 

 ・・・いきいそぐな、と いって いる んだ。」




「きみ こそ・・ ぼくが 【なにものか】を わかって いて

 その たいど なのか? 

 て を あげる つもりかよ? 


 ・・・めいれい には したがってもらう。きょひけん は ない。」

 


さんぼう は オウェングス を いす に たたきつけるように

りょうて を はなし、 かた で おおきく いきを しました。




「さいてい、だな。おまえ。・・・

 【リーダー】と いわれて いるうちに

 ひと として 【くさっちまった】んだな・・ 」




オウェングス は たちあがって 

さんぼう の かた を たたき ました。



「たしかに ぼく は すこし【くさっちまった】かも・・・な。


 でも、きみ には どうしても わかって ほしい。

 ぼく の はなし が 【ゆめものがたり】 では ないと、・・ね」




「しかたが ねぇか・・・

 【くされリーダー】の さんぼう を やってんのも 

 うん の つき、ってもん だな」







つぎ の 【まつり】 は さんかげつ のち・・・




 
 



   ★ ★ ★








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となり の あおい ほし で

【みこ】 の サタラン と いう 

あい する ひと を えた オウェングス。





うしろ がみ を ひかれる おもい で

じぶん の ほし へ と ふたたび の 「ジャンプ」 を

こころ みる あさ が やって きました。





ふたつ の ほし は

まだ ひかくてき ちかい いち に あります。



やって きてから よっかめ です。


これ いじょう の たいざい は

「かえる チャンス が とおのく だけ」 だと

わかって います。





「つぎ に くる とき は だいたい、

 みつき のち あたり だと おもう。


 ほし どうし が もっとも ちかづく ひ に・・・
 

 また、その へん に 

 ぼく は【ころがって いる】だろうから・・・」




サタラン は うなづいて。


~ その ひ は あれち を くまなく 

  オウェングス を  さがします・・・ 



「うん。 たのむね・・ 」





この じてん で


うちゅうせん、という いどう しゅだん を


むしろ、ひつよう と かんがえる こと の ない ・・・


ふたつ の ほし の、しゃかい と ぶんめい、でした。





ひととき の わかれ の まえ に。

くちづけ を かわす と。




オゥングス は からだ を ひぶっしつか して 

【じぶん の ムラ】 を いしき し 

いっき に 「ジャンプ」しました。




しゅんじ に きえて しまう オウェングス の すがた。



みおくる サタラン には 

て を ふる ま も ありません でした。




もどかしげ に おおきく うかぶ 

そら の あかい ほし を みあげ ました。







         ★ ★ ★








「・・・おい・・ 、しっかり しろよ・・!

 どうしたんだよ オウェングスっ!!!」



だれか が じぶん の なまえ を 

よんで いる のが きこえ ました。




からだ を はげしく ゆすられ、

ねむけ が ちょっと さめて。


め を すこし あけて みると。



そら が みえて。

ムラ の なかま が のぞき こんで いました。




・・・・ いきてる ・・・




「おまえ、いったい、どこに いって いたんだよ・・・!

 【まつり】 の あさ から 

 でて いった きり、 いなくなってよぉ。。。


 かと、おもえば・・・


 こんな まちなか に ねころんで いやがって!!!」






「・・やった!・・・ ぶじ に かえって こられた・・・」



オウェングス は また たまらない ねむけ に

おそわれ ながら、 ぶじだった こと に 

むね を なでおろす きもち でした。




「はあ?! なに を いって いる んだよ、オウェングス?

 どこ を ほっつき まわって いた!


 【リーダー】だろ、おまえ。

 【だいじ な にんむ】 が あるだろ!!!!」




~ なかま が おこる のも むり は ない な。



なにしろ、おんしんふつう で みっか も 

るす に していた わけ だから。




「・・しごと、を ね ・・・して いたんだ・・ いちおう。

 あたらしい とち を みつけた。


 さいこう の 【しんてんち】 だぜ?!・・


 おまけ に 【かわいい こ】も みつけた よ。」




オウェングス は ねむけ に ひっし に 

ていこう を しながら、 なかま に いい ました。



「けど ごめん・・ いま は、ねむい・・

 たのむ。 いえ に ・・・ 

 つれて いって くれる かな・・・」




そのまま みち の まんなか で だいのじ に なって 

どろ の よう に ねむる オウェングス は 

まったく うごき ません。





なかま は 

おおきく ためいき を つくと。


「・・・てめぇ~ が なあ・・・ 

 【リーダー】で なきゃあ、ここ に すてて おき たい ところ だ・・・ 

 んっとに、 めんどくせえぇー!!」




すうにん の ムラ の わかもの たち に かつがれて 

じたく の ベッド に ねかされ ました。





           ★






「・・・いったい、

 どこ に いって いたんだろ? 【こいつ】 は・・・」




ちょうろう の おい で

【かいたく チーム】の さんぼう も

オウェングス が もどった と ききつけ 

かれ の いえ を たずねました。




「・・・いちおう、【しごと】 は して いた らしい ですよ・・・ 

 ほんにん いわく、ですけど。」


まち なか で オウェングス の せわ を した

なかま の ひとり が こたえ ました。




「・・・みっか も おんしんふつう で、か!?

 いったい そんな ばしょ って・・ 

 どこ だって いう んだ・・・」





さんぼう は おとうと の ような 

オウェングス の こと が あまり に しんぱい で 

ここ すうじつ、 ねむれ ない ほど でした。





「・・・【しんてんち】、って いってた・・・。

 それに、【かわいい こ】 も みつけた、とかって・・



 その あと は あの とおり、なんで。

 おきる まで、 まつ しか なさそう ですよ ねぇ・・・」






さんぼう は 

あんしん しきって ねむる オウェングス の

かお を みつめて かんがえ ました。





これほど に ねむり を 

ひつよう と する 「しょうもう の ぐあい」って ・・・


だいいち、つうしん できない ばしょ なんて・・・

おれたち の のうりょく から かんがえて

【この わくせい の どこ にも ない】・・・







~ まさか・・・?! この バカ・・・



  「ジャンプ」を した のか? 【あの ほし】に・・・!?

  でも・・それしか、ありえない・・・



  
さんぼう は うすら さむい きもち に なり ました。






そっと、オウェングス の かみ を なでる と。



わかもの たち に 「あと は だいじょうぶ だから」 と

それぞれ の いえ や 

【にんむ】 に もどる よう に いい ました。




       ★




「よく、いきて かえったなぁ。・・・オウェングス・・・」




ひとはらん ある だろう こと は まちがい なく。。。





「おまえ・・・ 

 おれ が かばい きれない こと を、

 するんじゃ ねぇ って のに・・ ったく。。」





そら を みあげ ました。


あおい ほし が すこし とおく へ いどう した のが


みて も わかる ほど に なって います。






「へぇ・・・ 【かわいい こ】 が、ねえ・・・

 【あそこ】 にも、いる とは ねえ・・・」




さんぼう は  しずか に まど を しめる と。




ふたたび、 オウェングス を のぞき こみ ました。



「この ほし、じゃあ 【あいて】 が

 みつかん なかった のか・・ おまえ・・・。」




オウェングス は ねがえり を うちました。



さんぼう が 

かるく その はなさき を ひとさしゆび で つつく と

オウェングス は かお を ゆがめて 、 

て で はな を こすり。。


いびき を かき はじめ ました。




「・・・いい き な もんだ、なぁ。・・」





★ 





ゆめ の なか で・・・。



オウェングス は サタラン の 

あたたかく やわらかな むね に

かお を うずめて いました。



・・・この まま ずっと 、いっしょ・・・



まどろみ の なか で

しあわせ を あじわい ながら。






   ★ ★ ★








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うすぐらい つきあかり の さしこむ

しんだい の なか で。

うとうと と しはじめて いた オウェングス。



その ねむり を さまたげる おと・・・






★ 







ちいさな ノック の おと が して。

しんぐ すがた の ひとかげ が 

きゃくま に しずか に はいって きました。



ねころがった まま オウェングス が

やみ の なか に め を こらす と。



ひとかげ は ちかよって きて

オウェングス の くちもと に そっと ゆび を ふれました。



~ おねがい。 ・・・なに も いわない で。



「・・サタランっ?! よふけ に ・・なにごと!?」




なに も いう な と いわれ た もの の、

なに ごと か と、 とっさ に しつもん を しました。




かのじょ は きて いる しんぐ を 

おと も なく ぬぐ と

するり と オウェングス の しんだい に

すべり こむよう に はいって きました。



そして かのじょ は ふるえる ゆびさき で

オウェングス の しんぐ を ほどき ました。



「・・ちょ・・? なに・・?? えっ!?」



とまどう オウェングス は ひたすら あせり

どぎまぎ しまくり ます。



「いまから・・ 【しんさつ】か? 

 【けんさ】なら もう、なんど か した だろっ!?


 ・・って、なんで きみ、・・ふく を ぬぐ んだ よ!?

 ・・・なに、 する わけ・・??」





~ おねがい。

  わたし を あいして ください。

  オウェングス、 あなた を あいして います。



  わたし を けいべつ しない で・・

  きらい に ならないで。。。





ぴったり よせられた サタラン の

ふんわり と した やわらかさ。
 

あつい くらい の からだ は 

ちいさく ふるえて います。



かれ の りょうあし の あいだ に 

かのじょ の すべすべ とした 

すこし つめたく やわらかな あし が

さしいれ られると こし が よせられ ふれあい ます。



かのじょ の かみ の あまい かおり に。


・・・めまい を かんじる きぶん です。



しんぞう が はりさけ そう な くらい

こどう が はげしく なる ほど に。

 

オウェングス は りせい を うしない ました。




かれ の いままで しらなかった かんじょう と 

よくぼう に すべて を しはい される までに、 

じかん は あまり かかり ません でした。



ただ ただ、ここち よく。

そして、どこか せつなく。




からだ が とけて しまい そう な ほど の 

ぜんしん を つきぬけて いく かんかく に 

どうして いい の か わからず 

ひたすら もだえ ました。



~ その かんじ を 、じっくり あじわって。。

  うけ いれて、その まま。。



サタラン に やさしく 

あいして もらう たび に。



あっとうされる くらい の、 

いままで まったく しらなかった かんかく・・・ 


ふれられた ばしょ から

きもち の よさ が ほとばしり ます。


すべて が のみ こまれて しまい そう でした。 



からだ を つつむ かいかん の とおく に。

むね が せつない かんじ が ついて まわる。。。



これ は、・・・ なんだろう・・・



たまらず に もだえる と こえ が つい・・・ 

しぜん と こぼれて しまいます。



ウェングス は じぶん の あげた こえ に 

とても 。。。はずかしく なり。 


いっそう むね が せつなく なり ました。



でも この かいかん を 

とぎれ させない で ほしく て。 



くりかえし、あい の こうい を 

むしん に もとめ つづけ ました。



いき が とても くるしく。 

なんども おおきく あえぎ。


なに も かんがえられ なく なって いました。



じぶん の うで の なか には 

こわれて しまい そう な ほど に きゃしゃ な 

サタラン の しなやか な からだ が

おおきく むね を はずませて いて。



まど から そそぐ つきあかり を うけて

あお じろく うかび あがり ます。




オウェングス も せい いっぱい やさしく 

あい を こめる たび に。



サタラン の はだ が 

ほんのり あかみ を まして 

はずかしそう に みもだえ し つつ

こえ を ちいさく あげて。

あまい といき に むね が なみうち ます。



オウェングス は ふるい たつ ような 

きもち に いっそう かりたて られ ました。



~ もっと もっと 「あげる」。。

~ なんて きれい なんだろう。 サタラン。




オウェングス は

むちゅう で だき よせ て 

その はだ を あじわう ように 

なんども くちづけ ました。




~ あなた が すき です ・・ オウェングス・・・。


サタラン は はじらい ながら つたえて きました。




とても とても いとおしく て。 

むね が あつく なり ました。




いつ の ま にか 

オウェングス は なみだ を ながして いる 

じぶん に き が つき、・・・それ に おどろき ました。




~ いつまで も このまま で いたい。

サタラン の せつなさ が より そって きます。



~ ぼく も サタラン が たまらなく すき だよ。

  ・・・たぶん、【あいしてる】・・・




きつく だきしめ て くちづけ ながら。


「ありがとう。サタラン・・・ あいしてる。 」


そう ささやき ました。





オウェングス は はじめて じょせい を しり ました。









 

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