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童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
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いちねんいじょう るす に なる いえ を

トウフィ と カエル は りょうしん に あずけて いく と きめて。


はんとしご の えんそうりょこう の じゅんび を すすめました。




「ドレイコ」エルド は ぶっしつか の じょうたい で

いま の ところ おとな と おなじ くらい の

おおきさ に なって います。



できれば はんとしご まで これいじょう おおきく なって ほしくない

そう ねがう カエル でした。



ひぶっしつか の じょうたい なら どこで あろうと 

どんな センサー で あろうと たんち されない ドレイコ ですが

ぶっしつか の さい に おおきすぎる しつりょう と にくたい は

いろんな めん で めだちすぎて しまいます。




そして たびだつ その まえ に。


エルド が ひぶっしつか の じょうたい を はたして 

どのくらい ながく たもつ こと が できるのか を

しらべて おきたい と かんがえて いました。



とくてい の 「おと」に はんのう して

ひぶっしつか できる ドレイコ の せいたい の とくちょう を

りようしよう とも かんがえて いました。



しゅうい に なにも なく だれも くらして いない

トウフィ の プライベート ビーチ は

じっけん の ばしょ として さいこう の かんきょう なのも さいわい です。








カエル は こがた の おんがくプレイヤー を

けんきゅうじょ に つとめていた とき の

どうりょう に れんらく を いれて

「すべて とうめい な そざい で つくって もらえないか」と

そうだん していました。



「できれば プレイヤー を さいせい する 

 どうりょくエネルギー も 

 はんえいきゅうてき に きょうきゅう される 

 システム を もちいて・・・」



「しんくう の うちゅう くうかん でも きのうする

 きょうど を もたせて・・・」



その じょうけん に みあう もの が できたら

しさく を ゆずって ほしい ・・・ と。




「いったい、なにに そんな もの が ひつよう なのか」


そうだん を された もと の どうりょう は

ふしぎそう に たずねて きました。



「プレイヤー の つくりかた や いろいろ な ぎじゅつ は

 あなた はつめい した もの として 

 けんり を えて、かつよう して もらって いいの。


 わたし に ひつような もの は 

 じょうけん を みたした こがた で こうせいのう な

 とうめい で えいきゅうさどう する プレイヤー なの だから。


 わたし が うみだした いのち を ながらえ させる ため に

 きょうりょく して ほしいの・・・」




やりとり の なか で・・



「きみ が うみだした いのち?

 ・・・ まさか あの、 【あくむ の けんきゅう】 の こと?」



【あくむ】・・ その ことば に カエル は かお を ゆがめながら。



「あの けんきゅう は ほんとう は りそう の せいめいたい を

 うみだす こと が もくてき だった し、


 ほんらい は きけん でも なんでも ない おとなしくて 

 かしこくて あいじょう あふれる いきもの だった のに。


 いそぎすぎて むりやり しぜんはんしょく を させよう と

 したけっか ・・・ ちのう の たかい 【あのこたち】を

 きずつけて くるしめた  その けっか が まねいた もの なの。



 わたし は うまれた いのち を じゆう に させて あげたい。


 それだけ の こと・・」




なぜ、おんがくプレーヤー なのか、を どうりょう は なんども

くりかえし たずねて きました が



「どうしても ひつよう だから・・」



カエル は それしか いえませんでした。




「【おんがく】 が なんらか の かぎ、 なんだね」




どうりょう は そう なっとく して。



「わかった・・ 

 ぼく の しゅみ の いっかん って はんちゅう に おさめて 

 ・・・やって みるか・・ 」



カエル は モニター の まえ で

どうりょう の ことば に おおきく うなづいて。




「ありがとう。 3かげつご には しさく を おくって ほしいの」




「むちゃいうなぁ!!! ・・ ねるま も ないよ・・

 むかしっから せっかち なの は しっていたけど・・・


 【きみ の だんなさん】 の ライブチケット でもね?

 ペアで プレゼントして くれるって いうなら ・・ 

 ちょっと は がんばれる、かな・・」


どうりょう は そういって にんまり と わらいます。



「わかった。・・ こんど の ツアー を

 さいこう の せき で てはい して おく。」



「さすが【トウフィふじん】! そうこなくっちゃ!」




ふたり は モニター ごし に ハイタッチ を かわし ました。














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うまれそだった とち を はなれ 

せいかつ を はじめた ふたり・・・



けんきゅうじょ うまれ の じんこうせいめいたい

ドレイコ を てもと に そだてながら・・・









トウフィ の えんそうかつどう の しごとに

カエル も おてつだい を かねて いっしょ に でかけること に なりました。



「これは チャンス かも しれない」


ふたり は ドレイコ「エルド」を なんとか ほかの わくせい へ

のがしたく いろいろ と はなしあい かんがえつづけて

トウフィ が この わくせい を はなれる ゆいいつ の きかい、

「えんそうかい」 に すべて を かける ことに しました。




トウフィ の にんき は しゅうへん の ほしぼしにも

ひろまりはじめて  


「ぜひ こちらでも 」 「こちらでも ぜひに・・」 と・・


おおくの さそい を うけていました。



おんがくじむしょ から トウフィ に はなしが もちかけられました。


「おもいきって きんこう の せいいき で ツアー を かいさい しよう」と。





トウフィは うれしくも ありました が いっぽう では


「しかし・・ つま を おいて よそ の わくせい へ

 しごと とは いっても ・・


 いちねん で もどって こられる わけでは ないでしょう?」



おくさん である カエル の しんぱいを していました。



「いっしょ に ツアー に きて もらったら どうだろう」


トウフィ の マネージャー が いいました。



「きみ の しょくじ の かんり を おねがいできたら

 わたし も とても ありがたいし・・


 ほか の わくせい へ いけば しょくじ の ないよう も

 いま と おなじ・・・ とは なかなか・・むずかしい。



 だったら しょくざい は ていきてき に この ほし から

 おくって もらって おくさん に りょうり を おねがいすれば

 きみだって いつもどおり の しょくじ が できる。


 たいちょう を くずす しんぱい も へるだろう。


 なにより かぞく が そば に いてくれる のは

 こころ の  あんてい にも とても いいこと だしね。」







カエル は はじめて トウフィ の しごとさき の かんけいしゃ と あいました。


みな そろって いみん である カエル の すがた に 

おなじ はんのう を しめしました。




「・・・せなか に ・・・それは はね? ですか!? 

 よそ の ほし の かた なのですね!」


「なんて・・・すばらしい!」




カエル は わたし は いみん なのですよ、

      はね は ぶっしつ では ありませんので、さわれません・・

      おほめいただき ありがとうございます・・ と。


そう いって じょうず に うけこたえられる ように なりました。




ツアーさき では かならず キッチンつき の へや を

しゅくはくさき に てはい する こと・・


カエル には ふだんどおり の しょくじ を

トウフィ の ため に つくって ほしい こと。


ひつような ちょうりきぐ や かでん が あれば

じむしょがわ で すべて てはい できる・・ など


カエル は ただ いつも の ように

トウフィ と くらして いれば それでいいのだ、と いうこと・・



せつめい を うけながら カエル は おもいました。





・・・ この きかい に・・ エルド を のがせる のでは・・・




「わかりました。 おっと の しごと の ため ですしね。

 わたし も せいいっぱい うで を ふるいます。」



カエル は にっこり ほほえんで こたえました。








おんがくじむしょ の ひとびと を みおくった あとで。



はまべ の とおく に ぎんいろ の ひかり が うごいて いるようす を

みつけました。


「かえって おいで・・ エルド」


カエル が ちいさく つぶやくと・・



ひかり は おおきく せんかい しながら だんだんと ちかずいて きます。


おおきな かざおと を たてながら。



カエル の ながい ぎんいろ の かみのけ が

かぜに まいあがり ふく の すそ を まきあげます。


どうじ に たいりょう の みずしぶき が ふりかかります。



「・・・ やったな~・・ !!!  エルド!!!」



カエル は びしょぬれ に なりながら

こえを あげて わらいました。



ぎんいろ の ひかり は そくど を おとして

はまべ の カエル の わき に まいおります。



みどりいろ の ほうせき の ような ひとみ が

カエル を じっと みつめて。


ぎんいろ の かがみ の ような からだ に

しゅうい の けしき が うつりこみます。




「いたずらっこ、ね。 おまえは・・」



ナイフのような つばさ を ゆっくり たたみながら

ぎんいろ の いきもの は ながい くびを かたむけながら

そっと あたま を カエル の かた に のせて。



「もうすぐよ。エルド・・」



つるり とした エルド の はなさき を 

なでながら じぶん に いいきかせる ように つぶやくの でした。










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すっかり ちいさな すがたに なってしまった

ドレイコ の 【エルド】 は 

トウフィ と カエル の ほご と かんびょう の かいも あり

ひにひに げんきを とりもどして いました。



いまでは ヒトの あかちゃん くらいに まで 

おおきく なっています。









ときおり えんそうかい の しごとで

うみべに ひっこして からも 


るす に なることの おおい トウフィは 

かえってくる たびに 

エルドが おおきくなっている ことに おどろきました。




しきちない の どこでも。


いえ の なか、 プライベートの すなはま ・・・


エルドは じゆう に させて もらえました。





「この くらいの おおきさ なら・・

 ドレイコ も かわいいなぁ・・


 でも・・ いずれは  やま の ように でかく なるんだよなぁ・・


 しんじられない けれど。。。」






ちいさい ながらに つばさを ひろげると 

けっこうな はやさで かっくう を します。



トウフィは せいちょうを みまもる うちに

いちどは 「ころしてしまいたい」とまで 

うらみ にくんだ エルド に たいして

だんだんと あいじょうが わいて きて いました。




バランスを くうちゅうで くずして

ぱたぱたと つばさを ばたつかせて

ひっしに トウフィの もとへと とんでくる すがたや



「エルド」と よぶと なにを していても

いきおいよく そばに やってくる すがた・・



ときには トウフィの げんがっきの れんしゅうを

みつめながら しだいに うとうと と しはじめて

そばで ねむって しまったり・・・




「おもっていたよりも かわいらしい いきもの」という

そうぞうを していなかった ドレイコ の せいしつを

しったのでした。









エルドは トウフィに たいして  いまは

すっかり こころを ひらいて いました。



だいすきな カエルの いちばんの おきにいりに

じぶんが なれなくても。



この トウフィ という ニンゲンが じぶんを うけいれて

だんだんと せっしかたが おだやかに なっていくのを

かんじとって いました。



そばに よると そっと なでてくれるのも

エルドには うれしかったのです。



(トウフィは とても ・・・やさしい。

 ボクを だいじに してくれる。

 もう おこって いないし、 こわがっても いない・・)




やわらかい カエルの ひざの うえとは ことなる けれども

トウフィに のっかっていると 

つばさを なでる おおきな て が あたたかくて

まもって もらえて いる きが しました。



あまえて その て に はなさき を のばして 

きこえるか どうかの ちいさな こえで 「くう・・」と  なくと。



「・・なんだい? どうした・・」と かならず

こえを かけて ほほえんで くれるのも。



エルドにとって うれしいと かんじていました。






 




カエル は おっと の トウフィが

エルドを すっかり ゆるして まるで かぞくか

ペットの ように せっしている すがたに

むねを なでおろして いました。



どうじに エルドが トウフィを うけいれて いることも

とても うれしく おもっていました。




その いっぽうで。



きゅうそくに かいふくして おおきくなる エルドを

いくら プライベートの とち といっても・・


ここに かくまい つづける のは むずかしいことも

じゅうぶん わかって います。




「それが いつまで なのか」を


おそらく はんだんするのは じぶんの やくめなのだと。









トウフィは おおきくなる エルドの スピードが ましていることを

かんじていました。



「なんだか エルドが あさ すがたを みるたびに

 すこしずつ おおきくなっているのが わかる。」



カエルに そう はなしてみると


「ええ・・ げんきになった しょうこ だわ。」と


こえは はずませながらも ひとみが くもるのです。





「しんぱいなんだろ・・ このさきが。」



トウフィは そらを まいあがり うみへと とびこむ

エルドの すがたを ながめながら いいました。



ぎんいろの ちいさな ぶったいが   

ひの ひかりを はんしゃしながら まぶしいほどに きらめいて 

あおい うみに みずしぶきを あげて のみこまれます。



しばらく じかんを おいて。

もぐった ばしょから はなれた ところから


いきおいよく すいめんに とびだし まいあがります。



はねあげた しぶきが ひかりを うけて ちいさな にじを えがきます。




「・・・ ごきげんだな。 エルドのやつ・・」






カエルは まいあがった エルドのすがたを まぶしそうに みあげて。



「エルドは このほしを はなれないと・・ このさき は、 むり だと おもうわ。」


そう いいました。





「どうやって・・? 」



トウフィ の ぎもんは おおくに およんでいました。



~ ふたりの ちからで トウフィを どうやって にがす のか。


~ もしくは エルドに 「かえってくるな」と いいきかせる のか。


~ そもそも エルドは 「このばしょ を はなれる のか」。

 







エルドは かんじとって いました。


ふたりが なにか なやんで いることを。


じぶんを みつめる ひとみに なにか ことばに していない きもちが

こめられて いることを。



でも。 いまは まだ。



おさないころに もどった ように。

ふたりに あまえて いたい と・・ そうおもって いました。







** つづく **





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じたくに かえった カエルは 

よわりきっている ちいさな ドレイコの からだを 

ていねいに ぬるまゆ で あらいました。


そのあと。

やわらかい ぬのを ベッドの ように たたんで

その うえに よこたわらせて あげました。



ぐったり と からだの ちからを ぬいて 

ドレイコは ひたすら ねむって いる ようすです。



「こんなに ちいさな からだで あの ムラの けんきゅうじょ から

 この うみべの クニまで やってきた のだものね・・・

 ちからを つかいはたして しまっても とうぜんね・・」



ドレイコを カーテンごしに ひざしの はいる テーブルの すみに

やすませて ようすを みることに しました。



「さて・・ しょくじの したくを しないと・・」



きょうは トウフィと カエルの りょうしんも いっしょの

しょくじかい の ひ なのですから。。。










きもちのよい かぜ が そよぐ 

おくがいに テーブルを セッティングして。


ふんだんに うみの めぐみ が ならびました。



たのしい ひとときを みずいらずで すごしました。







しょくじが すんで おちゃを のみながら・・

おもいきって カエルは いいました。



「・・きょうね・・ かいものに いちばへ いった かえりみち・・

 ドレイコ の こども を みつけたの・・」



かくしとおせない と かんがえて 

かぞく には はなして おこうと きめました。




「たぶん・・ エルドの クローン・・

 てのひら に のっかるくらいに ちいさい こども なの。


 だいぶ よわっているから しばらく ここで ようすを みて


 かいふく したら すきなように させてあげる つもり なの。


 いいでしょ? しばらく の あいだ だけだから・・」




テーブルは みずを うったように しずまり かえりましたが

まっさきに トウフィが いいました。



「いいよ。 きみの すきに すればいいよ。

 じょうずに にがして あげないと。 ね・・?」



りょうしんたち も かお を みあわせて うなづきあい。



「そうだね。 みつからないように にがして あげよう。」


そういって くれました。







トウフィと カエルが かえってきても

エルドは まだ ぬのの ベッドの うえに ねむった ままでした。



トウフィは しげしげと ちいさな ドレイコ を ながめました。



「こんなに ちいさくても ちゃんと にげられたんだね・・」


カエル と トウフィは エルドだと まったく おもっていないので

こどもの ドレイコだと しんじて います。



「でも ふしぎ でしょ?

 このこ だけ どうして このマチに やってきたのかしら。



 ほかの ドレイコは おそらく この わくせい から はなれた と

 おもわれるのに・・ このこ は のこった みたい なの・・」




「ちいさい ドレイコは むれる せいしつが あるのかい?」




トウフィは そっと ドレイコの あたまを ゆびさきで なでました。


ゴムの ような さわりごごちです。



ドレイコ は すこし あたまを かたむけて うごきました。




「それは わからない・・

 すくなくとも せいちょうした ドレイコしか ほうぼく しなかったし。


 せいたいに ついて  まったく わからないまま おわったから・・・


 ちいさい うちは こべつに すいそう に はいっていたのよ?

 このこたち が むれる ようすは みたことが ない。。。」




カエル は ドレイコの つばさを なでで。


かぎづめ の ついた つばさ を ゆびで すこし ひろげてみました。


ちいさくても みがいた かがみの ように まわりの けしきが うつり 

きんぞくの ような いんしょう・・




きになる ものを みつけました・・

かぎづめの つけね あたりに きずあと ・・



それは おり から だされた 

せいちょうした ドレイコに だけ つけられた もの でした。



カエルは かのじょの せなかに ついている 

ひぶっしつの つばさが 

じぶんでも きづかないうちに こきざみに ふるえました。




「トウフィ・・ ちがう・・

 このこは・・ こどもじゃ ない・・」



トウフィは カエルが みつめている ぶぶんを のぞきこみました。



「・・・?」


かぎづめの つけねに ちいさな しかくい てん のような ものが

きざみつけられて いるのが みえました。




「これは しきべつコードの こくいん なの・・ 

 ほうぼく された せいちょうした こたいに しか つけて いないの。


 このこは 【エルド】なんだわ・・ まちがいない・・」





トウフィは ぎょっとして おもわず ふれていた ゆびさきを

ドレイコから はなしました。




「これが・・ あの 【エルド】だって?


 だって・・ あいつは・・ そのへんの たてもの よりも 

 ずっと おおきかった じゃないか・・! 


 こいつ・・【てのひらサイズ】、だぞ? ・・・ しんじられない・・」




「でも・・ エルドなのよ・・!

 いちどは あそこまで せいちょうしたのに・・ 


 こんなに ちいさくなるほどに・・

 しぜんな エネルギーせっしゅが できない くらいに・・

 ずっと しんりてき にも おいつめられて、 にげつづけて きたのよ ・・


 それで ここまで ちいさく なってしまった・・


 そうとしか かんがえられない・・」





トウフィは めのまえで ねむりこむ 

ちいさな ドレイコを ・・ 

にぎりつぶしたい きもちに かられました。




エルドが こんなに むぼうびに よこたわっている・・


こどもたち を ひとのみに した エルドが

こんなに ちいさな すがたに なっている・・




いまなら。 


ころすこと だって・・・




かるく あたまを よこにふって 

わきあがった きょうきに にた いかりを おさえました。



こいつも さんざんに くろうして。

・・・こうなって いるんだろう・・



そう おもわなくては ・・・ 

この いのちを じぶんが たすけた いみじたい、 なくなる。




トウフィは もういちど ドレイコの あたまを ゆびさきで

なでてみました。


エルドは くちを おおきく ひらき あくびを しました・・




「・・・ふっ・・」


・・・あんしん しきって おねんね ・・かよ。




トウフィは にがわらいを うかべて ためいきを つきました。



「まったく・・・ どうしようも ない・・な。
 
 げんきに なるまで こうして おくしか・・」




カエルは もぞもぞと からだを まるめる エルドの ちいささに 

まだ こころが ふるえていました。




「ドレイコって・・ ほんとうに ふしぎ・・」


カエルの うまれもった こうきしんが あたまを もたげて いました。









トウフィを ふりむくと いすに からだを あずけて 

かんがいぶかい ようすで エルドを ながめています。



「・・トウフィ・・?」



ふくざつな きもちで いるのは ひとめで わかりました。





うつくしい かおを くもらせ、 むりに ほほえんで。


トウフィは ゆっくり うなづきました。




「いいよ。 ・・もう いいんだよ。

 きみの すきに すればいいって・・ そう いっただろ。」




エルドは あさい ねむりの はざまで。

ふたり の ことばを だんぺんてきに きいて いました・・



(・・カエル ・・トウフィ・・ ゆるして くれているの・・?)




そう かんじられる ことが ただ ここちよくて。


エルドは もういちど おおきく あくびを しました。



かすかに すいこんだ くうきに おいしさが かんじられました。


とても ひさしぶりの やすらぎ 。。





 



**つづく**



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カエル を おって うみがわ の クニ まで 

ひっしに いどうして きた エルド は ようやく

かのじょ の すがた を みつけました。



そこには まだ おさなかった ころ

すいそう の なか から  みつめていた のと おなじ

カエル の  すがた が ありました。



せなか あたり まで の ながさ の かみのけ を

くろい リボン で まとめて いて ・・・



とうじ の エルド は 

カエル の リボン で まとめた かみのけ が

どういう ふうに なっているのか が ふしぎ で ・・・



いろんな かくど から なんども たしかめて みよう と して

すいそう の なか を くるくる およいで いました・・・



そんな ことを エルド は おもいだして いました。




いま の エルド は すっかり からだ も ちいさく なっていたので


カエル の かた に のれます。




(かた・・・ あそこ に のる!)




エルド は そう つよく おもうと からだ が 

しゅんじに ひぶっしつか して くうかん を とびこえると。




やわらかい ぎんいろ の カーテン に くるまれた ような 

かんかくに つつまれて いました。



(やっと やっと ・・ カエル に あえた・・)


エルド は しっかりと カエル の かたに しがみつき ました。







トウフィ と カエル は


いっしょ に ひっこして きた ふたり の りょうしん も 

ちかばに くらし はじめて いた ので

つき に いちど は みんな で あつまり しょくじ を して いました。



カエル は この じかん の ため に 

つくる りょうり を かんがえ ながら 

かいもの を するのが すきでした。



きょう は うみ で とれた しんせん な しょくざい が

いちば で おまけ して もらえた ので よろこび も ひとしお でした。



「おねえさん には いつも いろいろ かって もらっているしね。

 きょう あたり くるんじゃないかって おもって まってたよ。

 みごとな かい だろ! おまけに あげよう。 もっていきな。」



にまいがい の いっしゅ らしい おおきな かい を

りょうしさん が さしだして いいました。



「どういう りょうりが おすすめなの? その かい・・」



りょうしさん は 「そうだなぁ・・!」と いいながら

かい を てぎわよく さばいて から を とりました。


さくらいろ の つややかな み が きれいでした。




「ほら、これで りょうりも しやすいだろ。

 たべやすい おおきさ に きって 

 すきな やさい と いっしょに ソテー に してみな。 

 そりゃあ うまいから。 メシが いつも の ばい くえる」




カエル が その かいがら も ほしい と いうと

りょうしさんは いっしょに かみに くるんで ふくろに いれました。




「かいがら を ほしがる なんて・・ 

 おねえさん は うみ の ない ところ  の うまれなんだねぇ 」



「ええ。 

 だから だんなさん が この マチ に いえ を たてて くれたの。 

 また いろいろ めずらしい もの を おしえてくださいね 」




カエル は ありがとう と おれい を いうと

てにしていた バッグに だいじそうに いれました。








かいものがえり に うみべ を さんぽ するのが 

カエル の ささやかな たのしみ に なっていました。



しおさい に みみを かたむけながら

なみ が すなはま を あらう ようす を

ながめるのは あきることが ありません。



こころ まで  うみ の ように おだやかに なってきます。



そのとき。



みぎかた に  なにかが とびついて きたのを かんじました。


あまりに それは かるくて 「なにかが くっついた」 くらいにしか

かんじとれません でしたが・・・



て に していた バッグ を すなはま の うえ に そっと おろし。

かた の あたり に て を のばし ました。



「なんだろ・・ なにか とんで きた・・?」



ちいさな やわらかい ものが くっついて います。


そっと それを つかんで めのまえ に もってきて かくにん すると。




「・・・ え? ・・・」



てのひら の なかに おさまる ほどの

ちいさな ぎんいろ の ドレイコ でした。


エメラルド グリーン の ひとみ が 

カエル を じっと みつめて います。


ちいさな てあし を くう に ばたつかせ ながら

せなか の つばさ を ひろげ てこ の げんり で

ひっくりかえった からだ を ひっしに

おこそう と もがいて います。





「・・・どうしよ!・・・」




まさか こんな ばしょ で 

だっそう した ドレイコ に あうとは。。




あまりに ドレイコが ちいさい ので


カエル には それが 【エルド】 だと おもえません。




すいそう に いた 、

エルド の クローン として たんじょうした 18とう の うち の

いっとう だろう と おもいました。




「チビちゃん・・・ こんな ところで・・!

 ほかのこ は どうしたの・・ おまえ だけ なの?」




ようやく からだ を おこした エルド は 

もう これいじょう うごけません。




カエル の てのなか で いしきが とおのくのを かんじながら。。。




「・・ チビちゃん・・? ぐあいが よくない のね? 」




カエル の こえが こだまする ように きこえていました。

(やっと カエル に あえた・・)



ひたすら ねむくて あたたかくて。


ねむり に おちて いきました。








カエル は うわぎ の ポケット に 

ちいさな ドレイコ を そっと いれると

あしばや に いえじ を いそぎました。




なんどか ポケット に て を いれて。

ちいさな ちいさな ドレイコ を なでながら。




いったい どうしよう・・・ と おもう きもち と いっしょに。


なんとも うれしい きもち が わきあがって くるのを おぼえました。








**つづく**



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あるほし の あるクニ で おこなわれた 

じんこうせいめいたい 36とう の 「ドレイコ」たち を うみだす けんきゅう。




そして

トウフィ と カエル の けいかく に よって・・・


つくりだされた ドレイコ すべて が 


けんきゅうじょ から すがた を けしました。









ドレイコたち は どこに いって しまった のでしょう・・・









おおくの ドレイコたち は オス と メス が ペアに なって

よそのほし へ いじゅう して いきました。



それぞれ の ほし で はんしょく を して 

そのばしょ に てきおう し しんか を しました。









いっぽうで。

おおくの ドレイコたち は にくたい を じったいか させる ことは

しなくなり 「ひぶっしつ の せいめいたい」 として 

いきる ように なりました。





☆ ☆ ★ ☆ ☆






うちゅう に あまねく つたわる・・・

「でんせつ の せいぶつ」 「せいなる いきもの」と よばれて

したしまれ あいされている おおくが




かつて カエル と トウフィ が であって くらした あるほし の 

せいめいたいかいはつ の さんぶつ でした・・・




「その、あるほし」は おおくの しゅ を うみだす やくわり を 

とおい むかし に はたし ました。。。





ドレイコ は いまも うちゅう の あちこち で

さまざまな しんか を つづけながら ・・・




そして。



ちきゅう という ほしが ある 【あまのがわ ぎんがけい】 では

「ドラゴン」「りゅう」 と よばれて したしまれて います。




じったい を ともなう すがた を  


ふつう の にんげんたち には みること が できなくても。




「ひぶっしつ の せいめいたい」たち は 

いまも ひとびと の そば に くらして います。





☆ ☆ ★ ☆ ☆





カエル の いでんじょうほう を もとに たんじょうした

【ナンバー10】の ドレイコ 「エルド」は。。



そののち も うまれた ばしょ に ひっそり と

とどまって いきて いました。



そのほし に ゆいいつ の ドレイコ に なりました。



だいすきな 「カエル」の そば を はなれること が


どうしても できませんでした。




カエル に ゆるして もらえるとは かしこい エルドには

かんがえられません でした・・



(きっと ・・ カエル ・・ ボク を おこっている。

 もしかしたら 

 ボク を きらい に なって しまった・・かも・・)




エルド は しずんだ きもち の えいきょう で

こきゅう から えられる エネルギーを じょうずに とりこめず

すっかり からだが やせて ちいさく なっていました。




それが さいわい でした。


クニ の ほあんぶたい の そうさく に


たんちされる ことが できない ほどに 


からだが ちいさく なって いました。










カエル は じけん の のち。


けんきゅじょ を たいしょく しました。



うまれそだった ムラを はなれて


べっそう の ある うみべ の クニ に 


トウフィ と ひっこし ました。











エルド は その あと を  ひっし に おいました。



なれしたしんだ やま と みどり の おか を あとに して。



ちからを ふりしぼって つばさを ひろげて たかく まいあがる と。


うみ を めざしました。







**つづく**



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けんきゅうじょ で しいく されている ドレイコ の うち

はんすう に あたる 18とう が とうぼう・・


きんきゅうじたい に クニも うごきましたが

ドクターカエル の ことば の とおり・・・


「そら に うかぶ くも を つかまえる ような もの」で

すがた も みえない うえ に 「たんち」する ことも

できない じょうたい でした。







「・・つまり きみたち は きがついて いながら

 でんじばシールド に かわる ぼうごへき を ようい しなかった・・

 
 そういう こと に なる・・。」



 けんきゅういん ぜんいん が しょちょう の ことば に たいして

 なに も こたえません。。



「ドレイコ の きゅうげきな しんか の スピード・・・

 それに われわれ の けんきゅう は とても おいつかなかった のです。」


ドレイコ の はっせい と よういく を まかされていた

おじいさんドクター は たちあがり こたえました。



「それほど・・ しぜんはっせい した せいぶつ と ちがう のです。

 じんこうしゅ の ドレイコ は。


 われわれ には よそく も できない しんか を している のです。

 
 さいしょ に とうぼう した 【ナンバー10】が

 いまだ どこに いるのか・・ かくにん すら できません。

 もしくは すでに しんで しまった のか・・ も・・


 じぶんの いし で じげんを こえて しまう せいぶつ など・・ 

 わたしたち に あつかえる もの では ないのでしょう・・」



しょちょう は いかり を なんとか おさえようと

りょうて を くんで いました。



「わかって いながら ほうこく を いままで しなかった ・・


 きみには しつぼう した。


 さいご の しごと と おもって げんいん きゅうめい を してくれ。


 こんご の ため にも データ の しゅうしゅう は ひつよう なのでね。」




おじいさんドクター は ためいき を つきました。



「おわかり で ない ごようす ですね。


 ほうこく を するにも  かせつ を たてるにも・・

 すべて に じかん が かかる のです。


 じかん・・ それ が ドレイコ の しんか に おいつかない。

 それが この じょうきょう を まねいた のです。


 ほうこく の ぎむ を おこたった のとは ちがう のです。」










よくじつ の トウフィ の えんそうかい が おわった とき。




けんきゅうじょ では さらに もんだいが おおきく なりました。




すいそうで かんり されていた おさない ドレイコ も

すべて すがた を けしました。









ほかの けんきゅういん の だれも きづいて いなかった 

ささいな せいしつ が あります。 


それ を カエル が みのがさず に いた・・



「おと」に はんのう する ドレイコ の とくちょう・・・

とくてい の おと を ふくんだ メロディ を きくと

ドレイコ は からだ を ひぶっしつか させる の でした。


それ は ドレイコ に とって 「たのしいこと」の よう でした。



【ナンバー10】 こと エルド が そうでした。




ほか の ドレイコ も おなじ はんのう を しめすのか を

カエル は かんさつ して いました。



そして トウフィ の えんそうを レコーダーで ドレイコたち に

さりげなく きかせながら しごと を していました。



おと を おぼえる ように・・









けんきゅうじょ に ほどちかい ムラ での

トウフィ の えんそうかい の かいさい・・



ドレイコたち は ひぶっしつか した からだ の じょうたいでは

どんな しょうがいぶつ も すりぬける こと が できる とくちょう・・



この ふたつ を むすび つけて


けんきゅうじょ の ドレイコたち を のがそう と かんがえた の でした。









にげた ドレイコたち は どこへ いってしまったのか・・


それは クニ の そうさく にも かかわらず


いっこうに つきとめられません でした。

 
 






みっか に わたった トウフィ の えんそうかい も

しゅうりょう しました。



けんきゅうじょ には もう いっとう の ドレイコ も いなく なりました。







**つづく**



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トウフィ と カエル が こどもたち を うしなってから


はんとし ほど が すぎようと するころ。


トウフィ の えんそうかい が おこなわれました。





ふだんは としぶ の おおきな しせつ や おくがい の ひろば で

おこなわれる のですが 


こんかい は トウフィ と カエル の いえの ある


いなかまち が かいじょうに えらばれました。







トウフィ ほんにんの きぼうで えんそうかいは


いちにち にかいずつ を みっか つづけて おこなわれること に なりました。



こんかいは トウフィが じぶんで うたを うたう と いった ことも

おおきな  わだい と なりました。




トウフィの しょぞく する おんがくかんけいの じむしょの ひとびとも
 

「きみが うたう とは・・! ほんき なのかい?」と

おどろく くらいに めずらしい ことでした。




「うたは ・・ たしかに ぼくは それほど うまく ないけれど・・

 でも こんかいは なぜか やって みたくて。


 ちほうの いなかまち での こうえん だしね。。。

 ・・・これが うまく いくなら 

 それも おもしろいと おもうんだよ。。」




なれない うた の れんしゅうも ひっしで おこない

トウフィ は まいにち のように こんかい の えんそうかいに むけて

じゅんび を ねんいり に おこない ました。









えんそうかい の しょにち。


ムラの ひとびと は 「トウフィが じもと で えんそうかいを ひらく」と

こぞって ききに やって きました。



「そういえば・・ トウフィふさい の ふたごの こどもたち・・

 さいきん みかけない けれど・・ どうしたんだろうね・・」




「うみがわ の クニ に べっそうを もっている そうだよ。

 そこで ひとを やとって こどもらを そだてている って・・ 

 たしか ・・うわさを きいたよ。


 ちがうよねぇ! ・・ 

 さすが 【ゆうめい おんがくか】、ってところだなぁ・・」




「おくさん の カエル も おしごと を しているし。。


 ムラはずれ の あの【けんきゅうじょ の がくしゃせんせい】、なんだろ?

 あんなに わかい のに・・! 

 しょうらいを ゆうぼうし されているって。


 たいした もんだよなぁ・・ あの ふうふ・・」




ムラびとは クニの じょうほうきかん が ながした うわさを

そのままに しんじて まったく うたがいません でした。







トウフィ の げんがっきの えんそう が はじまると。


まんいん の きゃくせき から はくしゅと かんせいが わきおこり


いっしゅんにして ひとびとは その ながれる メロディに こころを うばわれました。




マイク を とおして トウフィの こたごえが ひびき わたりました。



ひとびとは それぞれに 

じぶんだけに かたりかけられて いるような きぶんに なりました。 


すこし ひくめ だけれど あまい ひびきを ふくんだ やさしい うたごえ でした。



もういちど おおきな かんせいが わきおこり かいじょうを つつむと・・



すこし てれたようす で えみ を うかべる トウフィが

ステージの はいめん に せっち された スクリーン に うつし だされました。







いちにちめ の えんそうかい が おわるころ。


けんきゅじょ では じけん が おこっていました。







「しょちょう・・ ごほうこくが・・!」


 ドレイコの しいくたんとうチーム の せきにんしゃが 

 いきを きらしながら しょちょうしつ に とびこんで きました。




「・・さわがしいな。。 どうしたんだね。」


モニターで ほうこくしょを かくにんちゅう だった しょちょうは


しごとを ちゅうだん されたことに すこし ふかいかんを しめしました。




「・・・ ドレイコが・・ にげました・・」

 しいくせきにんしゃは そういうと。



「もうしわけありません!」 

 おおきな こえで さけび あたまを ふかく さげました。



しょちょうは てにもっていた ファイルを あやうく おとしかけました。



「にげただと?・・ 【なんとう】なんだね、ぐたいてきに かずを いいなさい」



「・・・ せいかくに もうしあげると・・【はんすう】です。

 げんざい すいそうない で よういくを されている こたいが

 ・・・のこった のみ、です・・



 おくがいしいく されていた 18とうの すべてが・・ にげました。」





「もうしわけございません!!!」


からだが はんぶんに おりたたまれた ように あたまを さげつづける

しいくせきにんしゃ の ひつうな こえが しょちょうしつに ひびきわたりました。




「・・あの・・ 【ナンバー10】が にげて いらい・・

 でんじばの シールドを おくがい しいくじょうに はって、 

 ドレイコが とうぼう できない ように したはず だろう・・」




しいくせきにんしゃは なきそうな かおを あげると いいました。



「シールドは・・・まるで こうかが なかったのだと 

 いま しょうめい されて しまった しだいです・・」 



しょちょうは あおざめて たちあがると まどの そとを みました。



「けんきゅういんを ぜんいん、しきゅう しょうしゅう しろ。

 きんきゅう の たいさくかいぎ を ひらくと あんない しろ。

 いちじかんご に はじめる。


 きみは じょうきょうせつめいの しりょうを よういしなさい。 いじょう。」




もういちど ふかぶかと あたまを さげて 

しいくせきにんしゃ は しょちょうしつを あとに しました。



「・・にげた・・だと? あの ドレイコが 18とう も・・」



しょちょうは クニの ほあんぶ に 

でんわを つなぐようにと  ひしょに つたえました。


・・・この けんきゅじょも もう おわりか・・・








きゅうな かいぎかいさい の アナウンスが 

けんきゅうじょない に つたわった そのころ。


カエルは おさない すいそうないで そだてられている 

18とうの ドレイコたちに 

ポータブルのプレイヤーから おんがくを ながし きかせながら

かれらの たいちょうを チェックして いました。




「ドクターカエル・・ たいへんな ことに なりましたね・・」



カエルの アシスタントに ついている しいくいんが 

ふあんそうに いいました。




「そうね・・たいへんだわ・・


 でもね。

 ドレイコに でんじばシールド なんてものは 

 こうか が ないのはね・・

 ホントを いえば・・ 


 けんきゅういん の ぜんいん がね?

 【きがついて いた】のよ・・ じつは・・・」




カエルは プレイヤーの おんりょうを すこし あげると

ちいさく ハミングを しました。



「なんですって? ドクター・・?」



カエルは アシスタントの ほうを ふりむき。

エメラルドグリーンの ひとみで かのじょを みつめて いいました。




「そらに うかぶ くもを つかまえる みたいな もの・・」



くちもとに すこしだけ えみを うかべて かたを すくめました。




「つまり・・・【どうにも できない】・・ってこと。」





カエルは はっきり かくしんを しました。


~ トウフィ との ひみつの けいかくは せいこう したのだ・・







**つづく**



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とくしゅな くんれんを つんだ、 せいえいの ほあんぶたい による 

けんめいの ついせきかつどう にも かかわらず・・・

ドレイコ「エルド」は かれらを かわして にげつづけて いました。





「あいつが いるのは たしか なのだが・・ 


 【ナンバー10】の しつりょうの たんちも できている。


 おいつめた と おもうと きゅうそくに しつりょうが きえてしまう・・」




ほあんぶたい の たいちょうの ほうこくに

けんきゅういんたちは かんじていました。




>ドレイコは きゅうげきに しんかを つづけて いる・・・


にくたいを じゆうに ぶっしつか も ひぶっしつか も できる うえに。

さらに しつりょう までも じゆうに へんかを させられる

のうりょくを もちはじめた・・



それは しいくじょう に いる ほかの ドレイコにも

あらわれ はじめた へんか でしたから。


とても せいかくが おんこうな ドレイコたち ですが

うつりぎ な ぶぶん も あって

きもちに そぐわない ことが あると

すがたを けすように なりました。



からだ そのもの の へんか を

しんりめんの せいちょうが あとおし する かの ごとく に・・・



じんこうせいめいたい の はっせい けんきゅうの せきにんしゃ である

「おじいさん ドクター」は・・ かんじていました。



~ ドレイコたち は いずれ じぶんたち の いし で

  けんきゅうじょを さって いくのだろう・・


  そのとき われわれは なにも することなど おそらく できない・・・




おじいさんドクターは おもいます。


「わたしは まちがった ことを したのだろうか・・」



すうかげつに およぶ きゅうかを しんせいしている

ドクターカエル の つくえ には。。。


【ナンバー10】こと、「エルド」の おさないころの すがたが 

しゃしんに おさめられて かざって あります。




しいくすいそうに うかぶ はくぎんに かがやく ちいさな ドレイコが

ひっしに ドクターカエルの そばに くびを のばして いる ようす・・

しあわせそうに えがお を うかべる ドクターカエル・・




「できることなら・・ このまま・・

 エルドが にげきって くれれば いい・・」



だれにも いうことの できなかった ほんねを

ひとり こぼすの でした。







トウフィは カエルが べっそうに やってきてくれて から


みちがえるように げんきに なって きました。



ひとりでは しょくじすら とらない ことも ありました。



「・・・ たべて うごいて ねむって・・・

 あたりまえの ことが ぼくには できなく なって いたんだな・・

 いきていながら 【しんでいる】のと なんら かわらなかった ・・」



テーブルで いい においと ゆげを たてる 

てづくりの りょうりに

こころから かんしゃを していました。




「そうね・・ わたしも そうだったもの・・

 しあわせである って・・ あたりまえ だと おもっていたの。

 でも、 ちがうのね・・・

 とても ぜつみょうな バランスの うえに なりたって いるんだって

 よく わかるように なった・・


 あなたが いてくれて めのまえで ほほえんでいる・・


 これも 【あたりまえ】 では けっして ないのよね・・」




ふたりは すこしずつ たちなおり はじめました。









トウフィは しばらくして 


いちど しょぞくする じむしょに いってくると べっそうを はなれました。



トウフィは えんそうかいを ひらく じゅんびを はじめました。




~ うしなった さいあいの こどもたち への レクイエムを ささげるために・・

  そして、 ドレイコ「エルド」を すくう ために・・・




クニでは ゆうめいな がくし の かれですが

かれの かていに おきた ひげきは 

いっさい こうひょう されませんでした。



クニによる じょうほうかんり によって そうさを されて いたのですから。



トウフィは その じけんと ひげきを

じぶんの ファンの ひとびとに しらせようとは

まったく かんがえて いません・・



それでも・・



ひみつり に エルドを しょぶん しようと することには

どうしても なっとくが できません・・




カエルは いってくれました。



「あなたには おんがく という ぶき が ある・・」




そうだな・・と トウフィは おもいました。





もしも ぼくの かなでる おんがくで じょうきょうを かえられる ならば・・


ぼくは おやとしても 「あのこたちに むねを はれる」 だろう。




そのための えんそうかい の きかくを 

めんみつに たてて じむしょに もちこんだの でした。








カエルは けんきゅうじょ に ふたたび しゅっきんを はじめました。


トウフィと やくそくした あることの じょうほうを あつめる ために。



つうじょうの けんきゅうの しごと とは べつに


しらべたい ことが あるからです。。。



それは ほかの けんきゅういん にも はなせない ことでした。




もしも ほんとうに それが うまく いけば・・・



この ドレイコたち すべてを すくえる はずだから・・









けんじゅうじょ おくないの しいくすいそう には


エルドの いでんしじょうほうを もとに 


たくさんの ドレイコが クローンとして たんじょうして いました。



みんな エルドと おなじ すがた です・・




「・・・ おまえたちも かならず たすけて あげるから・・

 えんそうかい までに すいそうから でるのよ・・ いい?」



どの すいそうからも みどりいろの つぶらな ひとみが


カエルを みつめて います。




「エルド・・ おまえも かならず、たすけるから」




カエルは てにした ポータブルレコーダーから

ちいさく トウフィの かなでる げんがっきの メロディを ながしはじめました。



「おぼえておいてね・・ この おとを・・

 きれいな おとでしょう・・ 」



すいそうの なかで おさない ドレイコたちは くるくると

およびながら レコーダーの おんがくに はんのうを しはじめました。




カエルは めをつむり その おとに いしきを しゅうちゅう しました。



~ トウフィ・・・ わたしも はじめたから・・・




 
ふたりの ひみつの けいかくが すこしずつ ととのえられて いくのでした・・
 






**つづく**



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カエルは こがたの ひこうきで よるの そらを いそぎました。


しばらくして しょゆうする しまの あたり から

あかり  ちいさく みえてきました。


ひこうきを ちゃくりくさせて。

カエルは すなはまを べっそう めがけて はしりました。








べっそうの ドアに かぎが かかっていませんでした。

「トウフィ!」

さびながら とびこむと・・



ひろい へやは つかいかけの しょっきや ぬいだ ふくなどが

ざつぜんと  ちらかっていて。。。


すさんだ ふんいきが ただよって います。



トウフィの かなしみが つたわるようで カエルは むねが いたみました。 



「・・・トウフィ? いるんでしょ?」



すがたも へんじも ありませんでした。







そとにでて、 しおさいを ききながら みみを すますと。


~~ ぽろん・・ぽろろん・・ ぽろん・・


げんがっきの ねいろが ちいさく まじっているのが きこえます。




おとの ほうへと あるいていくと

いわに よりかかり すなはまに あしを なげだして

げんがっきを かかえて ほしを みあげる トウフィが

よるの やみに とけてしまいそうな ふんいきで いました。



カエルは ことばを かけられず。

その となりに いっしょに ならんで いわに よりかかりました。



トウフィは カエルを みつめると。


「・・・ ごめんね・・」 ちいさく つぶやき。


げんを つまびき つづけ ました。



なんねんぶり の ことだろう・・


よぞらの したで トウフィと ふたりで ならびながら

かれの かなでる メロディを きくのは・・






「・・・ エルドは ・・ どうなった?」


トウフィは しずかに おちついた こえで たずねました。





カエルは そらに ひときわ かがやく ほしを さがしながら いいました。


「・・ クニが 【しょぶん】すると・・ その方向で うごいてる・・」




トウフィは・・ えんそうの てを とめました。

しばらく しおさいの おとだけ が ふたりを つつみます。



「それは・・ それだと・

 【ぼくたちの こども】は にかいも ころされる・・ そういうことになる・・」



カエルは トウフィの ことばに みみを うたがいました。


~トウフィは・・ エルドを たすけてもいいと おもっている・・?



「うらんでいないの? エルドの ことを・・?」


トウフィは すこし ひょうじょうを くもらせつつ

ためらいがちに かたりました。




「うらんでいない、といえば うそに なる。 それは とうぜんだろ・・?


 でも・・ あのこたちは すでに あのドレイコの いちぶに なっているんだ。


 エルドが いきることで あのこたちは むくわれるのも じじつだと・・

 ぼくは おもうんだ・・


 エルドは きみの いちぶ でも ある・・


 きみが いなければ エルドは うまれなかった・・ この せかい に。


 エルドに とって きみは 

 おやで あり、 さいあいの そんざい、 なんだろう。 きっと。



 こどもたちに きみを うばわれた と かんじて

 エルドは そうとう くるしんだ のだろうと いまなら わかる・・ 


 ドレイコは かしこいから・・





 だいいち エルドを ころして なんになる? 


 ぼくは こどもを にかいも ころされるのは ・・ ごめんだ・・」





トウフィは そこまで いきもつかずに かたると。

ふかく ためいきをついて 


「だからといって・・ なにも できないんだけれどね・・」と

ふたたび てにした がっきを つまびき はじめました。



カエルは おどろきました。


トウフィは こんなにも つよいのかと・・



ひとり べっそうに にげこみながらも


かなしみと むきあいながら のりこえて、 エルドを ゆるしていた・・




「・・・ できることは まだあるかも・・

 あなたには その 【おんがくっていう ぶき】が ある・・」




カエルは おもいました。 トウフィの いうとおり だと。


エルドを すくうことで 、もしかしたら こどもたちは すくわれるのかもしれない・・



トウフィは ようやく ひとみに ほほえみを うかべました・・・



「ぼくは しがない げんがっきの そうしゃで しかないよ?」




そんなことはない・・


トウフィの もつ 【おんがくで ひとの こころを ふさぶる ちから】。

・・・ だれもが かんじている・・ むいしき で あっても。




すいへいせん の とおくが むらさいきろ に そまりはじめました。



「・・ カエル・・ ほら ・・ひので だよ・・」



そら に のぼり はじめた たいようが

うみに うつりこみ もうひとつ たいようが あるように みえます。



「あのこたち みたい・・ あさひが ふたつ・・ね。。 

 そらと うみに うつって・・」



カエルは トウフィの かたに あたまを あずけました。



やさしい しおさいと かぜ が こころの いたみを

ぬぐいさって くれるのを かんじながら。





**つづく**



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