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童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
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じたくに かえった カエルは 

よわりきっている ちいさな ドレイコの からだを 

ていねいに ぬるまゆ で あらいました。


そのあと。

やわらかい ぬのを ベッドの ように たたんで

その うえに よこたわらせて あげました。



ぐったり と からだの ちからを ぬいて 

ドレイコは ひたすら ねむって いる ようすです。



「こんなに ちいさな からだで あの ムラの けんきゅうじょ から

 この うみべの クニまで やってきた のだものね・・・

 ちからを つかいはたして しまっても とうぜんね・・」



ドレイコを カーテンごしに ひざしの はいる テーブルの すみに

やすませて ようすを みることに しました。



「さて・・ しょくじの したくを しないと・・」



きょうは トウフィと カエルの りょうしんも いっしょの

しょくじかい の ひ なのですから。。。










きもちのよい かぜ が そよぐ 

おくがいに テーブルを セッティングして。


ふんだんに うみの めぐみ が ならびました。



たのしい ひとときを みずいらずで すごしました。







しょくじが すんで おちゃを のみながら・・

おもいきって カエルは いいました。



「・・きょうね・・ かいものに いちばへ いった かえりみち・・

 ドレイコ の こども を みつけたの・・」



かくしとおせない と かんがえて 

かぞく には はなして おこうと きめました。




「たぶん・・ エルドの クローン・・

 てのひら に のっかるくらいに ちいさい こども なの。


 だいぶ よわっているから しばらく ここで ようすを みて


 かいふく したら すきなように させてあげる つもり なの。


 いいでしょ? しばらく の あいだ だけだから・・」




テーブルは みずを うったように しずまり かえりましたが

まっさきに トウフィが いいました。



「いいよ。 きみの すきに すればいいよ。

 じょうずに にがして あげないと。 ね・・?」



りょうしんたち も かお を みあわせて うなづきあい。



「そうだね。 みつからないように にがして あげよう。」


そういって くれました。







トウフィと カエルが かえってきても

エルドは まだ ぬのの ベッドの うえに ねむった ままでした。



トウフィは しげしげと ちいさな ドレイコ を ながめました。



「こんなに ちいさくても ちゃんと にげられたんだね・・」


カエル と トウフィは エルドだと まったく おもっていないので

こどもの ドレイコだと しんじて います。



「でも ふしぎ でしょ?

 このこ だけ どうして このマチに やってきたのかしら。



 ほかの ドレイコは おそらく この わくせい から はなれた と

 おもわれるのに・・ このこ は のこった みたい なの・・」




「ちいさい ドレイコは むれる せいしつが あるのかい?」




トウフィは そっと ドレイコの あたまを ゆびさきで なでました。


ゴムの ような さわりごごちです。



ドレイコ は すこし あたまを かたむけて うごきました。




「それは わからない・・

 すくなくとも せいちょうした ドレイコしか ほうぼく しなかったし。


 せいたいに ついて  まったく わからないまま おわったから・・・


 ちいさい うちは こべつに すいそう に はいっていたのよ?

 このこたち が むれる ようすは みたことが ない。。。」




カエル は ドレイコの つばさを なでで。


かぎづめ の ついた つばさ を ゆびで すこし ひろげてみました。


ちいさくても みがいた かがみの ように まわりの けしきが うつり 

きんぞくの ような いんしょう・・




きになる ものを みつけました・・

かぎづめの つけね あたりに きずあと ・・



それは おり から だされた 

せいちょうした ドレイコに だけ つけられた もの でした。



カエルは かのじょの せなかに ついている 

ひぶっしつの つばさが 

じぶんでも きづかないうちに こきざみに ふるえました。




「トウフィ・・ ちがう・・

 このこは・・ こどもじゃ ない・・」



トウフィは カエルが みつめている ぶぶんを のぞきこみました。



「・・・?」


かぎづめの つけねに ちいさな しかくい てん のような ものが

きざみつけられて いるのが みえました。




「これは しきべつコードの こくいん なの・・ 

 ほうぼく された せいちょうした こたいに しか つけて いないの。


 このこは 【エルド】なんだわ・・ まちがいない・・」





トウフィは ぎょっとして おもわず ふれていた ゆびさきを

ドレイコから はなしました。




「これが・・ あの 【エルド】だって?


 だって・・ あいつは・・ そのへんの たてもの よりも 

 ずっと おおきかった じゃないか・・! 


 こいつ・・【てのひらサイズ】、だぞ? ・・・ しんじられない・・」




「でも・・ エルドなのよ・・!

 いちどは あそこまで せいちょうしたのに・・ 


 こんなに ちいさくなるほどに・・

 しぜんな エネルギーせっしゅが できない くらいに・・

 ずっと しんりてき にも おいつめられて、 にげつづけて きたのよ ・・


 それで ここまで ちいさく なってしまった・・


 そうとしか かんがえられない・・」





トウフィは めのまえで ねむりこむ 

ちいさな ドレイコを ・・ 

にぎりつぶしたい きもちに かられました。




エルドが こんなに むぼうびに よこたわっている・・


こどもたち を ひとのみに した エルドが

こんなに ちいさな すがたに なっている・・




いまなら。 


ころすこと だって・・・




かるく あたまを よこにふって 

わきあがった きょうきに にた いかりを おさえました。



こいつも さんざんに くろうして。

・・・こうなって いるんだろう・・



そう おもわなくては ・・・ 

この いのちを じぶんが たすけた いみじたい、 なくなる。




トウフィは もういちど ドレイコの あたまを ゆびさきで

なでてみました。


エルドは くちを おおきく ひらき あくびを しました・・




「・・・ふっ・・」


・・・あんしん しきって おねんね ・・かよ。




トウフィは にがわらいを うかべて ためいきを つきました。



「まったく・・・ どうしようも ない・・な。
 
 げんきに なるまで こうして おくしか・・」




カエルは もぞもぞと からだを まるめる エルドの ちいささに 

まだ こころが ふるえていました。




「ドレイコって・・ ほんとうに ふしぎ・・」


カエルの うまれもった こうきしんが あたまを もたげて いました。









トウフィを ふりむくと いすに からだを あずけて 

かんがいぶかい ようすで エルドを ながめています。



「・・トウフィ・・?」



ふくざつな きもちで いるのは ひとめで わかりました。





うつくしい かおを くもらせ、 むりに ほほえんで。


トウフィは ゆっくり うなづきました。




「いいよ。 ・・もう いいんだよ。

 きみの すきに すればいいって・・ そう いっただろ。」




エルドは あさい ねむりの はざまで。

ふたり の ことばを だんぺんてきに きいて いました・・



(・・カエル ・・トウフィ・・ ゆるして くれているの・・?)




そう かんじられる ことが ただ ここちよくて。


エルドは もういちど おおきく あくびを しました。



かすかに すいこんだ くうきに おいしさが かんじられました。


とても ひさしぶりの やすらぎ 。。





 



**つづく**



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