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童話。 ちょっとだけ、スピリチュアル。
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「ふたり で じゅんび を しよう」



リーダー である オウェングス の ことば に 

したがう ぎむ が ある のだ と わかって いても

 

さんぼう は 「それ は むずかしい」 と なんど も

はんたい を つづけ ました。




「【ふたり】 では たりない。

 もう すこし にんずう が ほしい。」



さんぼう の いけん に オウェングス は くび を

よこ に ふり つづけ ました。




「だめだよ。 まだ その だんかい に ない。

 いたずら に なかま たち の あいだ に 

 うわさ と ふあん が ひろがり かねない。


 
 ある ていど の 【したじ】 が できてから

 また なかま を げんせん して けいかく を

 すすめる ほう が せっとく しやすい。



 だいいち きみ だって まだ さんせい して

 くれて は いない じゃあ ないか・・・ そうだろう?」





さんぼう は しんぱい でした。





~ いく の は いい。


・・・ほんとう に かえって こられる の だろうか。


オウェングス は たまたま「【うん】 が よかった だけ」


・・なの かも しれない。







「だいじょうぶ。 

 ほし の いち と じげん の あんてい が

 【ジャンプ】 を せいこう させる かぎ に なる のが

 まちがい ない と 

 ぼく の けいけん そのもの が しょうめい している。



 きみ の 【ジャンプ】の のうりょく は 

 ぼく に まさる の だから

 かくじつ に いける し、かえって こられる。」



さんぼう は はなれた ムラ に くらす

かぞく を おもう と むね が しめつけられる おもい でした。



「せめて 【つま】 に あってから・・・ に

 させて もらえない だろうか・・ オウェングス・・」






オウェングス は、くび を よこ に ふりました。



「すまない・・・ 【きみ の おくさん】 を 

 しんよう しない わけ では ない けれど。。。


 うわさ が ひろがり 【この けいけく】 を

 こわし かねない リスク は ぜったい に さけたい んだ。


 だいじょうぶ だってば! かならず かえって こられる。」





     ★




さんぼう は 【ちょうろう】 を たずね ました。




さんぼう の じつ の そふ に あたる ちょうろう は

まご の かお を みる の が ひさしぶり で

おおい に よろこんで むかえて くれました。



さんぼう は すこし だけ ほほえむ と 

かた を おとして ためいき を つきました。



「じいさま に ききたい こと が ある。

 なぜ オウェングス を リーダー に えらんだ?」



ちょうろう は なやんで いる のが あきらかな ようす の

まご に いれたて の おちゃ を さしだし ました。





「いまさら なに を・・ 


 もう 6ねん ちかく に なるだろう。


 オウェングス も だんだん リーダー として の

 やくわり が わかって きて いる はずだ。


 おまえ が ささえて くれて いる から こそ、

 ムラ の みな が あいつ を たてて くれる。




 オウェングス はな 【かいたくしゃ の ししつ そのもの】だ。



 みつめる さき が とおく ひろい。

 そして もんだい の ほんしつ が なにか を 

 よく わかって いる。


 なにが だいじ なのか。

 なにが しあわせ なのか。

 そのため に なに が ひつよう なのか。


 けつだん する のうりょく も たけて いる。

 みきわめる ちから にも だ。



 としわかい けれど も とても かしこい。



 あたらしい じだい の リーダー として 

 あいつ の ししつ は 

 ほか の だれ にも まさって いる。



 ただ、わかい ゆえ に まわり からの しんらい を えにくい。

 だから おまえ を 【さんぼう】に すえた。


 おまえ は あいつ を ほんとう に 

 よく ささえて くれて いる。 



 おまえ の じんぼう と けいけん、そして けんしき が 

 あいつ の すすむ さき に かならず

 あかり を ともして いく はずだろう。」





あつい おちゃ を すすり ながら

さんぼう は しわ の ふかい ちょうろう の てもと を

みつめ ました。





「あいつ は ・・ オウェングス は・・・

 【ほし への ジャンプ】 と いう 【タブー】 を おかした。


 そして こんど は おれ にも 

 その むぼう を 「いっしょに やろう」 と きょうよう する。


 いくら リーダー であっても ・・・


 ゆるされる こと とは おもわない・・・」





「・・・なんで【とんだ】のだね。 オウェングス は。」



ちょうろう は しずかに まご に たずねました。




「この ほし に あんじゅう の とち は ない・・と いう。

 となり の ほし へ いじゅう を かんがえて いる。


 だから、ためしに とべるか じっけんを した と。


 そして こんど は したじゅんび の ため に

 おれ を つれて いく つもり だ・・」




ちょうろう は その はなし を きく と

ゆかい そう に こえ を あげて わらい ました。



その あまり の わらい よう に 

さんぼう は あっけ に とられ ました。



どうじ に はら が たちました。




「おい・・ じいさま・・ なにが おかしい・・!

 このほし を あいつ は すてる、と いう の だよ?!


 せんぞ だいだい くらして きた この ほし を!!!」




「いやなぁ・・・いかにも オウェングス が かんがえ そうな

 とっぴ な こと なもの だから・・!

 おもったとおり の 【とんでもなさ】 が おかしくて つい な・・」



ちょうろう は わらい すぎて 

なみだ が うかんだ めもと を こすり ながら 

やれやれ と いいつつ、おちゃ を ひとくち のみました。




「あいつ 。。 おれ の て には とても おえない・・・

 ほんとう に いいのか? じいさま・・ このまま で・・・」




ちょうろう は ふあん と いかり を かくし きれない 

まご を

なだめる ように いいました。





「かまわない。 それ で いい。


 オウェングス らしい やりかた じゃあ ないか。


 いままで  だれも かんがえ なかった 【みらい】の かたち だ。


 わたし たち しゅぞく の みらい こそ が たいせつ。



 いじゅう で いのち と くらし が つなげる ならば

 それで いい。



 たのむ。 おまえ が オウェングス を ささえてくれ。


 【タブー】の こと は わたし が ゆるそう。



 おまえ も ぜひ いってこい。 そして おしえて おくれ。

 となり の ほし の ようす を な。」




しかし・・、と いう まご を うなづき ながら せいする と 

ちょうろう は つづけ ました。




「ほか の ムラ の さんどう を える ためなら

 いずれ わたし が うごこう。


 まず は その め で みてこい。


 いじゅう する かち の ある ほし なのか。

 その 【さんぼう】として の やくわり で。



 おまえ の のうりょく ならば

 となり の ほし へ いくの も かえること も たやすかろう。


 ・・・まだ、ほか の もの に この はなし は するな。」





     ★





・・・オウェングス に ぜんぷく の しんらい を

 よせる ちょうろう の すがた に

 さんぼう は あきらめ にも にた きぶん で いました。




とおかった あおい ほし が

ひを おうごと に ちかづいて くる そら を みあげる たびに

ふあん に あし が ふるえる の でした。







     ★ ★ ★








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